グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
1月2日は、ファッションデザイナーの長賢太郎さんからの紹介で、クリエイティブディレクターのharu.さんが登場。大学在学中に創刊した『HIGH(er)magazine』の話や、2024年にローンチしたばかりのブランド「HEAP」の話などについて伺いました。
INDEX
高校時代にイラストやコラージュを使ったZINEを制作
タカノ(MC): あけましておめでとうございます。お正月にお越しいただいてありがとうございます。
haru.:あけましておめでとうございます。
Celeina(MC):haru.さんは、東京藝術大学在学中に、同世代のアーティストたちとインディペンデント雑誌『HIGH(er)magazine』を創刊し、編集長をされていました。2019年に株式会社HUGを立ち上げ、クリエイティブディレクションやコンテンツプロデュースの事業を展開されております。
タカノ:そして以前、「NiEW EDITION」のコーナーにお声でご出演いただき、haru.さんが手がけた、羊文学のアート企画展『“ひみつの庭” inspired by 羊文学 – 12 hugs (like butterflies)』のお話を伺いました。実際にお会いするのは初めてですね。嬉しいです。
haru.:ありがとうございます。
Celeina:haru.さんは高校生の頃からZINEを作っていたそうですが、創作活動を始めたきっかけはなんだったんでしょうか?
haru.:ドイツの高校に通っていたんですが、言語の壁があったりして、言葉が全然信用できなかったんです。何か言葉以外のコミュニケーションツールが欲しいと思って、ZINEを作り始めました。
タカノ:ドイツの学校に通いながらZINEを作っていたんですね。どんな内容だったんですか?
haru.:本当に病んでいて、厨二病みたいな感じだったので、気持ちが落ちている自分の状態を表すために、イラストやコラージュを作ってまとめたZINEを作ったりしていました。あとは、クラスメイト全員にTシャツをデザインして、それを着てもらって、写真を撮って1冊にするみたいなZINEも作りました。
タカノ:すごくいいですね。
Celeina:高校生にしてすごい行動力ですね……! 雑誌がもともとお好きだったんですか?
haru.:もともと映画を作りたかったんですけど、高校生だからやり方もわからなくて。でも雑誌だったら、一旦、紙とペンさえあればできるから、自分の思い描いている世界を形にできるんじゃないかなと思って雑誌を作り始めました。
INDEX
社会と繋がるためのツールとして大学在学中に『HIGH(er)magazine』を創刊
Celeina:なるほど。それで、大学在学中に『HIGH(er)magazine』を出されたということで。ZINEから少しステップアップしたという感じでしょうか?
haru.:そうですね。より人と関わるための目的に変わりました。自分をわかってほしいというよりも、仲間や社会と繋がるためのツールという感じに、どんどんシフトしていきました。
タカノ:雑誌という形態って面白いですよね。
haru.:映画もそうですけど、雑誌だとありもしない理想の世界を、あたかも普通の状態として表現できちゃうじゃないですか。自分の理想の世界を描けるというか。あくまでも自分の作るものは日常の延長線上にあってほしいんです。なので、ホワイトキューブの中に自分の作品があるというよりも、みんなが手に取りやすいものであってほしいと思っています。
タカノ:手元にちょうど雑誌があるんですけど、何となく眺めてみると、テキストが書いてあったりイラストが描いてあったり、はたまた写真があったり、広告のページがあったり。一見ごちゃっとした情報群のように見えて、でもちゃんと雑誌ごとのカラーがあって、キュレーションする方の世界観がちゃんと示されていますよね。今すごく雑誌を読みたくなりました。
Celeina:今、haru.さんが好きな雑誌とか、よく手に取る雑誌ってあったりしますか?
haru.:今はあまりないんです。だから自分たちで作りたいというのもあります。
INDEX
人に見せなくていい親密なアイテムなことに注目し、インナーウェアブランド「HEAP」をローンチ
タカノ:そんなharu.さんですけれども、2024年の4月にはクリエイティブディレクターとして、インナーウェアブランドをローンチされました。これはどんなブランドなんでしょうか?
haru.:もともとマガジンの中で、自分の体や、性とかセックスの話を取り扱っていたんですけど、それをまた再開したいと思ったんです。そのメッセージを伝える上で、下着ってすごくいいなと思って。下着は服みたいに表面にはなくて、人に見せなくてもいいじゃないですか。だから、着る人にとってすごく親密なアイテムだなと思ったんです。「自分がもしブランドを持つとしたら何だろう」と考えた時に、やっぱり下着だなと思ったので、そこから準備して作りました。
タカノ:ブランド名は「HEAP(ヒープ)」ですね。WEBサイトを拝見しているんですが、すごくおしゃれです。雑誌からインスパイアされているのがわかる気がします。
haru.:『HIGH(er)magazine』も、ブランドの立ち上げとともに5年ぶりに復刊したんですよ。ブランドのコンセプトブックとして作ったので、雑誌と連動しているブランドでもありますね。
Celeina:私の普段の感覚だと、下着は毎日身につけるものであって、当たり前のものみたいに捉えているんですけど、「HEAP」のルックを見ていると、芸術的な空気感を感じます。下着というものの捉え方が少し違った角度から見えるような感じがあって、すごく面白いです。
haru.:ありがとうございます。下着は、自分のために選ぶことができるものだと思っているんです。服だと、どう見られたいかをすごく意識しちゃうじゃないですか。でもおっしゃっていただいたみたいに、下着は毎日つけるから、毎日選び取りますよね。これが、本当に自分が欲しいものを選ぶ練習になったらいいなと思っているんです。もっと大きな決断をしなきゃいけない時とか、人生で何かを選び取らなきゃいけない時に、その背中を自分で押してあげられるようになったらいいなという気持ちで作っています。
Celeina:哲学的ですね。
タカノ:無意識のうちに、豊かに生きるためのトレーニングにもなっていくというか。