グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
10月3日は、ダブルダッチチーム「REG☆STYLE」のYUIさんからの紹介で、プロダンスリーグ『D.LEAGUE』に参戦しているダンスチーム「FULLCAST RAISERZ」所属のINFINITY TWIGGZさんが登場。KRUMPというダンスのジャンルのカルチャーや、『D.LEAGUE』に参戦することになった経緯などについて伺いました。
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KRUMPは負の感情や葛藤をダンスで昇華しようと生まれたジャンル
Celeina(MC):本日は、「FULLCAST RAISERZ」所属のINFINITY TWIGGZさんをお迎えします。
INFINITY TWIGGZ:INFINITY TWIGGZのMASAKIです。よろしくお願いします。
Celeina:MASAKIさんというお名前なんですね。
タカノ(MC):INFINITY TWIGGZというお名前は、アーティスト名でしょうか……?
INFINITY TWIGGZ:ダンサーネームになります。僕がやっているダンスのジャンルのカルチャーにならって名前をつけました。
Celeina:そうなんですね。ダンスのジャンルというのは、KRUMPですか?
INFINITY TWIGGZ:はい。KRUMPにはファミリーカルチャーという文化があって、「Twiggz Fam」という名前のファミリーがあるんです。チームのようなものですね。1番の親がTwiggzさんというダンサーネームの方で、「Twiggz」という名字に加えてそれぞれ名前をいただいて、チームに迎え入れてもらうんです。僕だと「INFINITY」が名前になります。
タカノ:他にはどんなTwiggzさんがいるんですか?
INFINITY TWIGGZ:「Twin Twiggz」とか「Lil Twiggz」といった名前のメンバーがいます。名前にも階級があったりするんですよ。「INFINITY」は階級制度とは関係がない名前なんですが。
タカノ:恥ずかしながら知らないカルチャーだったので、興味深いです。
Celeina:もっと教えていただきたいですね。KRUMPのダンスは、どういったダンスなんでしょうか?
INFINITY TWIGGZ:僕らがやっているKRUMPというジャンルは、パワーとエナジーを感情に乗せて、内側から出すようなダンスです。足を強く踏んだりとか、腕を大きく振ったりとか、側から見るとちょっと喧嘩しているように見えることもある踊りです。
タカノ:手足を震わせるような踊りもありますか?
INFINITY TWIGGZ:そういう動きも使うんですが、それは恐らくポッピンという筋肉を弾くような動きをするジャンルですね。KRUMPだと、ボールを投げるみたいに大きく腕を振ったり、強く腕を出したりするような体の使い方をします。
KRUMPはもともと、ロサンゼルスのサウス・セントラルという貧困の町から生まれたジャンルなんです。大人になってお金を稼ぐために、薬の売人やギャングになるような道しかなく、町を歩いていたら銃で撃たれて殺されるかもしれないみたいな場所です。そんな中で、殺し合うのではなく、生き抜くために、負の感情や葛藤をダンスで昇華しようと生まれたジャンルなので、精神的な部分と深く関係しているんです。
Celeina:だからパワーとかエネルギーを表現するというところに繋がってくるわけですね。
タカノ:表現力や演技力みたいなものも大事になってきそうですね。
INFINITY TWIGGZ:すごく大事ですね。
タカノ:日本のKRUMP人口って多いんですか?
INFINITY TWIGGZ:日本では始まって30年くらいのジャンルなので、KRUMPを作った人がまだ現役で踊っているくらい若いんですよ。KRUMPを踊っている人は全国各地にいるんですけど、バトルのシーンや、大会に来てくれるのは大体300、400人くらいかなと思いますね。KRUMPは怖がられるジャンルでもあるので、大会に出てこない人でもKRUMPを楽しんでいる人はいると思いますし、人口もちょっとずつ増えてきているのかなと思います。
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みんなで音を共有する楽しさに魅了されダンスに没頭した大学時代
Celeina:INFINITY TWIGGZさんが、KRUMPやダンスと出会ったのはいつごろだったんですか?
INFINITY TWIGGZ:大学からです。小学校から高校まではずっと野球をやっていました。
タカノ:野球をやっていらっしゃったんですね。
Celeina:先ほどボールを投げるような動きがあるという話もありましたけど、ちょっと繋がりますね。
INFINITY TWIGGZ:確かにそうですね。なので、腕の使い方はやりやすかったかもしれないです。
タカノ:体をコントロールするという意味では、スポーツのような側面もありますもんね。
Celeina:大学生ではなぜダンスに没頭していったんでしょう?
INFINITY TWIGGZ:野球を1回やめて、新しいことを始めようかなと思っていた時に、友達に誘われてダンスサークルに行ったんです。その時に、みんなで音を共有して踊るという経験をして、その楽しさにハマってダンスを始めました。野球を始めたきっかけも、自分が野球をやりたいとかじゃなくて、「仲いい奴らが野球をやっていたからやりたい」みたいな気持ちがあったので、みんなと何かを共有することが、もともと好きだったんだと思います。
タカノ:確かにダンスは音楽を共有するので、一体感がすごく強そうな感じがします。大学卒業後は就職されたんだとか?
INFINITY TWIGGZ:飲料メーカーで3年と3ヶ月働いていました。
タカノ:働きながらダンスもされていたんですか?
INFINITY TWIGGZ:そうです。僕は大学生の頃に、今所属している「Twiggz Fam」というチームに加入したんですが、みんなプロでダンスをやっていて、就職をせずにバイトとダンスを両立する、もしくはダンス1本で生きているというのが当たり前の世界なんです。そんな中でやっていたので、僕も大学を卒業したらバイトをしながらダンスをやっていこうと思っていたんですけど、大学から始めてたった3、4年しかやっていないダンスのためにフリーターになることを、家族には反対されてしまったんです。
すごく喧嘩したんですけど、親は僕のために言っているだろうなとも思って。多分僕も、社会人として働きながらだとダンスができないと、自分で決めつけていただけだったんです。なので、社会人をやりながらダンスで食べていける道を見つけて、親に安心してダンスの道に進むのを応援してもらえるように頑張ろうと思いました。会社員をしながら空き時間にダンス練習をして、土日は大会に出ていました。海外の大会に行くこともあったので、金曜日まで働いて、土曜日の朝に韓国に行って、日曜日の夜に帰ってきて、月曜日に出勤するみたいな生活でしたね。
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所属しているチームが『D.LEAGUE』に参戦するタイミングで、会社を辞めてダンス1本に
Celeina:そんな生活の中で、プロダンスリーグ『D.LEAGUE』に参加するタイミングがやってきたんですよね。
INFINITY TWIGGZ:そうですね。コロナ禍で、僕が会社員として3年働いたくらいのタイミングでした。「Twiggz Fam」のボスに、『D.LEAGUE』でチームを持たないかという話が来て、参戦することになった時に声をかけていただいたんです。ボスは「MASAKIは就職しているし、やらないだろう」と思っていたみたいで、軽い感じで声をかけられたんですけど、僕の中では、仕事を辞めてダンスに集中するタイミングはここなのかなと思いました。
3年間、会社員をしながら本気でダンスをやってみたからこそ、ダンスで食べていくのは難しいんだなと実感しました。ただ、『D.LEAGUE』ができたこのタイミングを逃したら、恐らく一生社会人をやりながら趣味でダンスをやっている人みたいに見られちゃうんだろうなと思ったんです。親に相談したら、1番反対していたお父さんが「行ってこい」と言ってくれたんですよね。
Celeina:INFINITYさんの努力を見ていたからですよね、きっと。
INFINITY TWIGGZ:そうなんですかね。もっと話し合うことになるのかなと思ったんですけど、すぐに「30歳、40歳になった時にお前が後悔しないように行ってこい」と言ってもらって。給料形態もわからないし、コロナ禍で『D.LEAGUE』が開催されるのかもわからない環境の中、仕事を辞めるという選択をしないといけなかったので、毎日胃がキリキリ痛む思いをしながらどうしようか迷っていました。
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ダンスが盛り上がっている今こそ、ダンサーの価値を上げていく作業が大切
Celeina:ここで『D.LEAGUE』とは何かについて簡単に説明させていただきます。世界初のプロダンスリーグが『D.LEAGUE』です。サッカーの『Jリーグ』や、野球の『セントラル・リーグ(セ・リーグ)』、『パシフィック・リーグ(パ・リーグ)』と同じように、全14チームがダンスで日本一を目指します。
タカノ:10月13日から新しいシーズンが始まるんですね。
INFINITY TWIGGZ:そうですね。2024年から2025年にかけたシーズンが始まります。
Celeina:『D.LEAGUE』って優勝するとどんな感じなんですか……?
INFINITY TWIGGZ:レギュラーシーズンでは、全チームが総当たりで戦って、上位6チームだけがチャンピオンシップに進出できます。そこで優勝したら、3,000万円の賞金が出ます。
Celeina:3,000万円! すごいですね。ダンスシーンにずっと携わっていらっしゃる Infinityさんだったらわかると思うんですが、この金額は結構大きいですか?
INFINITY TWIGGZ:そうですね。ダンスでこの額というのはやっぱり考えられない数字です。
タカノ:応援しております。
INFINITY TWIGGZ:ありがとうございます。
Celeina:こうやってダンス界隈がどんどん盛り上がってきているというのは嬉しいですよね。
INFINITY TWIGGZ:すごく盛り上がってきていて、ダンサーの価値を上げていく作業が大事になっていると思います。僕も今日ダンサーとして呼んでいただいて、ダンスを知らない方に話ができるのは、『D.LEAGUE』に参加したからこそだなと思うので、本当にありがたいです。
タカノ:引き込まれるお話でしたね。
Celeina:我々も『D.LEAGUE』をチェックしつつ、現場で観戦に行ける方はぜひ参加してもらいたいなと思います。「FIST BUMP」、本日は「FULLCAST RAISERZ」所属のINFINITY TWIGGZさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann