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出版レーベル「地下BOOKS」の小野寺伝助は、ZINEのあり方も「パンク的」と考える

2024.10.31

#BOOK

芥川賞受賞作品から感じる、パンク要素

Celeina:ちなみに、「パンク的」なおすすめの最新の本はありますか?

小野寺:今日、何冊か持ってきました。つい最近、芥川賞を受賞された松永K三蔵さんの『バリ山行』という小説なんですが、パンクの要素を感じるところがあるので持ってきました。登山道から外れた道なき道であるバリエーションルートを行く登山のことを「バリ山行」というのですが、それがテーマになっている山岳小説です。

会社員の主人公の職場に、周囲から浮いている男性がいて、その人がバリエーションルートの山行をやっているらしいと知るところから、その方とどんどん仲良くなって、一緒に登山へ行くことにり、登山道じゃない道へ入っていくというシナリオになっています。決められた道や常識から外れて、危険な道を行くことで感じられる本質的な体験が描かれていて、そこにパンクに通ずるようなドキドキ感や、あり方と通ずる気がしました。

タカノ:なるほど、パンク文学ですね。僕もこの本を読んでるんですが、その視点では読んでいなかったので、新たな着眼点を知りました。バリエーションルートで登山をしている、メガさんという男性がね。

小野寺:そうなんです。メガさんのことをパンクだと思いました。職場で浮いているメガさんというおじさんが、登山アプリでは「メガデス」というハンドルネームを使っているんです。パンクじゃなくて、メタルのバンドの名前なんですけど(笑)。職場で浮いていて、マイペースで周りに流されないとか、常識にとらわれず価値判断の基準が自分の内側にあるとか、僕はそういう人に惹かれてしまいます。

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