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Glen Checkインタビュー Netflix『ボーイフレンド』挿入曲で紡いだ感情の揺らぎ

2024.11.8

Glen Check『Bleach』

#PR #MUSIC

「韓国のグラミー賞」として知られるKMA(韓国大衆音楽賞)で最優秀ダンスエレクトロニックアルバム賞を2度にわたって受賞し、韓国内の大型フェスでは必ずと言っていいほどラインナップに名を連ねるオルタナティブエレクトロバンドGlen Check。フレンチロックを彷彿とさせる洗練されたモダンシンセポップから、JusticeやDaft Punkを連想させるフレンチハウス、そしてUKロックのオルタナ感まで、彼らの感性が構築するサウンドはジャンルレスにフレッシュで力強く、そしてどこか懐かしさや青さを思い出す瑞々しさがある。

日本ではこれまで2度の『SUMMER SONIC』出演や、渋谷WWWでワンマン公演を行うなど根強い人気があった彼らだが、今年7月よりスタートしたNetflix『ボーイフレンド』の挿入曲として”Dazed & Confused”と”4ever”が抜擢されると、視聴者の間で話題が沸騰。再び多くのリスナーがGlen Checkの音楽を聴くきっかけとなった。

そんな彼らの最新アルバム『Bleach』の日本盤が、韓国のオルタナティブアーティストたちをサポートするシリーズ「K-ALT(カルト)」よりCDとLPでリリースされ、バンドとして9年振りに来日したタイミングでインタビューが実現。2025年1月には日本ツアーも決定した彼らに、『Bleach』の音楽スタイルや、これまでの活動について話を伺った。

幼少期に過ごした海外で触れた、英語圏のオルタナティブミュージック

ーGlen Checkは長らくジュンワンさん(Vo / Gt)とヒョッキさん(Ba / Key)の2人でやられていましたが、2023年にジェイボさん(Gt / Key)が合流しましたね。3人の出会いは?

ジェイボ:多分2017年の梨泰院soap(ソウル市内にあった人気クラブ)での公演かな? Glen Checkのライブをきちんと観たタイミングは。

ジュンワン:そうかも。元々ジェイボは一緒にお酒を飲む友達でした。いつからか毎日のように一緒にいるようになったんですが、その頃ちょうどGlen Checkを2人だけでやるのがつまらなくなってきていて。ライブをもっとパワフルなステージにしたくなって、自然と合流した感じです。

ジェイボ:ただのローディーです(笑)。

ーいやいや、ギターもキーボードも弾かれて、欠かせない存在じゃないですか!

ジェイボ:冗談です(笑)。元々自分はプロデューサーとして活動していたんですが、ジュンワン兄さんから「ちょっと手伝ってくれない?」と連絡が来て、セッションメンバーとして合流したのが最初です。

ージェイボさんはGlen CheckのSNSで広報も積極的にやられていますよね。Vlogめっちゃ面白いです(笑)。

ジュンワン:そうなんです。ヒョッキと僕はSNSが苦手なので……(笑)。

ジェイボ:僕も得意なわけじゃないんですけど、頑張ってます(笑)。

ー(笑)。ジュンワンさんとヒョッキさんは2人とも釜山出身ですが、学生時代に出会ったんでしょうか。

ジュンワン:そうです。高校時代に出会いました。

ヒョッキ:ジュンワンさんは僕より1つ先輩なんですが、高校にバンド部があったので、そこで学生バンドを一緒にやってました。好きな音楽も似ていて楽しく遊んでたんですが、当時は「このままバンドで成功しよう!」みたいな考えは全くなかったですね。

Glen Check(グレン・チェック) 写真左から、ヒョッキ、ジュンワン、ジェイボ
ジュンワン(Vo / Gt)とヒョッキ(Ba /Key)を中心に結成され、2011年にEP『Disco Elevator』でデビュー。2012年リリースの『Haute Couture』、2013年リリースの『YOUTH!』で2年連続して韓国大衆音楽賞の最優秀ダンスエレクトロニックミュージック賞を受賞。韓国では大型ロックフェスの常連バンドとして知られ、日本でも2012年と2013年に『SUMMER SONIC』に出演したほか、アメリカ、フランス、ドイツ、香港のフェスにも出演するなど国内外で活躍。2023年にジェイボ(Gt / Key)が正式合流し、現在はドラムを加えた「Band Live Set」とエレクトロニックセットの「Electronic Live System」の2形態でライブ活動を展開している。

ー好きな音楽が似ていたということですが、どんな音楽に触れてきたんですか?

ジュンワン:特定のジャンルにハマるというよりは、広く浅くいろんな音楽を聴くタイプです。最初はシンセポップ感のあるスタイルでしたが、それは当時シンセポップをよく聴いていたからで、Duran Duran、New Order、Daft Punk、大沢伸一とか。日本の音楽もよく聴いていましたね。あと1980年代のイタロディスコも。

ジュンワン

ヒョッキ:自分もジュンワンさんと同じように、Duran Duranとか、A Frock Of Seagulls、Pink Floydとかを聴いてました。どれもハマるフェーズがあるというか、とあるアルバムはめちゃくちゃ聴き込んだけど、じゃあ今も聴いているかと言えばそうでもなくて、全てはタイミングですね。

ーそのように様々な音楽に触れた最初のきっかけはありますか? 例えば、父親が聴いていたとか。

ジュンワン:まさに、父の影響です。幼い頃、日本、フランス、アメリカに住んでいましたが、父が運転する車で音楽をいつも聴いていました。当時、外の景色を眺めながら、「自分は外国人として海外で生活しているんだ」と思い耽った時、音楽しか頼れるものがなかったんだと思います。Duran Duranも父が好きな音楽でした。

ジェイボ:自分は中学生の時に友達から「バンドやろうよ」と言われたことがきっかけで音楽に触れて、楽器も初めて触れました。最初はピアノでしたね。

ヒョッキ:中学生の時アメリカに住んでいたんですが、学校でオーケストラをやっていたんです。その時に習ったテナーサクソフォンが初めて触れた楽器で、それから積極的に音楽をディグって聴くようになりました。

ヒョッキ

ーそこからどうやってGlen Checkがスタートすることになったんでしょうか。

ヒョッキ:高校卒業後にソウルへ上京したんですが、暇で(笑)。既にソウルに住んでいたジュンワンさんの家で、曲を作ったりしてよく遊ぶようになったんです。

ジュンワン:ちょっと話が遡るんですが、中学時代にMIDI機器に関心があって、捨ててあったコンピューターを自分で改造したんです。それを使って録音するのが趣味だったんですが、20歳の時にソウルに上京して、もう一度やってみたくなって。昔のことを思い出しながら、これが本当に音楽なのか、右も左も分からないままとにかく自分たちが聴きたいモノを作ろうと思って出来上がった曲が、Glen Check初めてのデモ曲になりました。

そのデモを、宅録アーティスト達が自分たちの作品をシェアしてたコミュニティサイトにアップしたんです。そしたらある日突然、そのコミュニティを通して自分たちを知ったレーベルの人から電話が来て。ライブもやったことがないし、バンドなんて学生時代の部活でしか経験してないのに、レーベルから「一緒にやりませんか?」と言われて、「どうしよう!?」って(笑)。でも、こうやってレーベルから連絡が来るってことは、「自分たちの音楽、結構良いんじゃない?」って。それでプロとしてやってみようと思って、今に至ります。

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