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「黒人がキャプテン・アメリカになるというのはどういうことなのか」
パンフレットに記載されたインタビューで、ジュリアス・オナー監督は、新しいキャップを描くにあたり、本作のテーマが「黒人がキャプテン・アメリカになるというのはどういうことなのか」だと発言している。しかし、作中では、人種差別についての描写は特にない。

スーツや盾の力を駆使してボロボロになりながらも闘うサム。初代キャプテン・アメリカと自らを比較して苦悩し、スーパーパワーを持たない自分が選ばれたのは人選ミスだったとまで吐露する。このように能力を持たない自己への悩みはあるものの、ドラマシリーズで描かれたアフリカ系アメリカ人としての葛藤は言及されない。
ドラマとは異なり、人種について切り込んだ表現は、大作ヒーロー映画では過剰だと判断されたのかもしれない。同じパンフレットのインタビューでは、脚本のマルコム・スペルマンが次のように述べている。
映画に過剰にテーマを押し込むと、逆にその物語が壊れてしまうこともあるんです。だから今回はそういったものを一切持ち込まず、この作品が自然にあるべき姿になることを目指しました。
映画パンフレットより