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アユニ・Dが写真を撮りたくなる瞬間とは。撮影した写真を紹介
ー今回、Leicaが搭載されたXiaomi 15T Proを持ち歩いて「今こそが、わたしのスペシャル。」をテーマに写真を撮っていただきました。順番にお話を伺っていきたいのですが、まず「私の一服」「歴史と憩い」というタイトルがついた写真は、どこで撮影されたのでしょうか?
アユニ・D:喫茶店で撮影しました。喫茶店がとても好きで、仕事と仕事の合間に行ったり、本屋さんで本を買って持って行ったり、デモを聴きながら作詞することもあります。出不精だけど喫茶店なら気軽に行けるし、リラックスできる場所です。マップにも都内の喫茶店の印をたくさんつけていて、大体が純喫茶ですね。店主さんや常連さんも癖のある面白い方々が多くて、日頃関わらない人たちと喋れたりもするし、その雰囲気が自分にとって新鮮で好きなんです。


ー1人で行くことが多いですか?
アユニ・D:友達と会うために行くこともあるんですけど、1人で頭を整理したり、自分を見つめ直すために行くことが多いです。プライベートな時間をおざなりにしながら、物理的にも精神的にもせわしなく、がむしゃらに走ってきてしまったからこそ、自分のことが見えなくなっていたし、そのせいで、自分のことも、他の人のことも、あまり好きになれなくなった時期があったんです。自分の気持ちを整理しないと、人に感情を伝えたいときになかなかうまく言葉にできなかったりもするので、今は暮らしや自分と向き合う時間を意識的に大事にしています。
ー今回撮影された写真の中には、記事で紹介した以外にも、食や食の場に関する写真がありましたね。
アユニ・D:10代の頃は食についてまったく気にしてなかったんですけど、体調をめちゃくちゃ崩してから、「食って大事なんだ」と思うようになりました。年齢的なものなのか、周りの人が健康の話をするようになって、影響されている部分もあると思います。
「今これを食べたいな」って気分のときにそれを食べられると幸せだし、自分を労わることにもなりますよね。自分の欲望をちゃんと優先することで、「これでちゃんと頑張れる」と自分を鼓舞することもできます。自炊は自分の好きな要素を入れてつくれるところが音楽と似ていて、それがすごく楽しいんです。

ー次が「夏祭りの帰り道」。これはどんなシチュエーションで撮ったんですか?

アユニ・D:PEDROとして香川で夏フェスに出演した帰りに、車で駅まで向かう道のりで撮った写真ですね。地元の北海道に帰るよりも、仕事で香川にたくさん行っていた時期があるし、子どもの頃に田舎のおばあちゃんの家で遊んだときのことを思い出す風景でもあります。過去に戻りたいわけではないんですけど、夏休みに、今はもう亡くなってしまった田舎のおばあちゃんに会って、本当に無邪気な気持ちで、遊んだり喋ったりしていた時間を思い出すと、心が朗らかになります。
ーライブなどでいろいろな場所に行かれていると思いますが、旅はお好きですか?
アユニ・D:めちゃくちゃ好きです。ライブで地方に行ったとき、次の日がオフだったら、自分でその土地に宿を取って1人旅したりもします。去年は初めて1人でタイにも行きました。旅先でのコミュニケーションや、歓喜も憂いも虚無感も含めて、旅でしか得られない初めての感覚や気持ちが生まれてくることが好きですね。そこで得たものがまた音楽に返ってきて、表現のアイデアが生まれたりもするので、旅は自分の血肉になります。

ーさきほどこのスタジオでも写真を撮っていただきましたが、この人形はアユニさんがつくったものなんですよね。

アユニ・D:はい、つくりました。これは自分なんです。ずっと楽曲制作をしていて、張り詰めすぎたときに、そういえば陶器をつくりたいと思って、自宅のオーブンで焼ける粘土を買っていたことを思い出して。こねこねしていたら、いつのまにか自分のことをつくってました。
ーアユニさんは絵も描かれますよね。
アユニ・D:音楽は一番に優先したいもので、趣味でも特技でもあるけど、仕事でもあるから、楽しいだけではいられない部分もあります。絵を描いたり粘土をこねたりするのは、好奇心の表れという感じです。いざ自分で絵を描いてみると、楽しさも難しさも実感して、ほかの人が生み出した作品により感銘を受けるようになりました。