Apple Musicによる史上最高のアルバムを讃える「100 Best Albums」の全リストが公開となった。
「100 Best Albums」は、ストリーミング回数を一切考慮せず、Apple Musicが誇る専門家チームの他、マレン・モリス(Maren Morris)、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、J.バルヴィン(J Balvin)、マーク・ホッパス(Mark Hoppus)、ハニー・ディション(Honey Dijon)、ニア・アーカイヴス(Nia Archives)など選りすぐりのアーティストや、作曲家、プロデューサー、業界のプロフェッショナルが、歴代のアルバムのなかから最も優れた作品を独自に編集。現代のアーティストをはじめ、音楽やカルチャーへの影響を通じて今世紀を形づくってきたアーティストに焦点を当てたランキングとなっている。
Apple Musicのコンテンツとエディトリアルのシニアディレクターを務めるレイチェル・ニューマン(Rachel Newman)と、グローバルクリエイティブディレクターであるゼイン・ロウ(Zane Lowe)は、企画についてこのようにコメントしている。
100ベストアルバムには、音楽を愛する人のために究極のサービスを提供するApple Musicらしい要素が凝縮されています。このランキングは人の手によるキュレーションの真骨頂であり、音楽が紡ぐ物語への理解や、非常に豊富な音楽知識に加えて、深い愛情が感じられます
レイチェル・ニューマン
ベストだと思う100作品を選ぶことが私たちの使命でしたが、それは実際のところ不可能な仕事です。一方で、一人の音楽ファンとしては、この使命のために自分たちの大好きな楽曲、アルバム、アーティストについて時間をとって考えられるのは幸せなことでした
ゼイン・ロウ
リストをざっと見ただけでも、これまで数々のメディアが発表してきた同様のランキングとの違いが見て取れる。クラシックな名盤に肩を並べ、ここ数年でリリースされた作品がランクインしているのが興味深い(これまでのアルバムランキング同様、英語圏中心の構成には多少の批判が散見されるが)。
例えば、ポップスが16作品、ヒップホップが21作品と、これまで以上に現代的な作品を多く評価している。トップ10作品に着目しても、フランク・オーシャン(Frank Ocean)の『Blonde』、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の『good kid, mAAd city』、エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)の『Back to Black』、ビヨンセ(Beyoncé)の『Lemonade』など2000年代に入ってからの作品が多くラインナップされている。なお、10位から1位までの発表は、アーティストのナイル・ロジャースとマギー・ロジャース、Apple Musicのゼイン・ロウとエブロ・ダーデンによる座談会にて発表された。
1位に選出されたのは、ローリン・ヒル(Lauryn Hill)の『The Miseducation of Lauryn Hill』。1998年に発表された同アルバムは、Fugeesで成功を収めた彼女の最初で唯一のソロアルバムで、女性蔑視があふれる1990年代に、若い女性の視点で物語を綴ったブラックミュージックの金字塔だ。ローリン・ヒルはこの結果について「今回は私が賞をいただきましたが、この企画には深く重みのあるメッセージが込められており、大変多くの人が協力して献身的に取り組み、長い時間をかけてそれぞれの愛情を注ぎ込んだものだと思います」とApple Musicにコメントを寄せている。
SNS上ではこのリストについてすでに激しい議論が巻き起こっており、音楽ファンの間では、ランク外のアルバムや、各アルバムの順位についての意見が飛び交っている。それこそが「100 Best Albums」の狙いかもしれない。
このランキングがApple Musicを利用していないファンの間でも話題となり、人々が愛する音楽について情熱的に語り合うきっかけになれば、私たちの目的は十分果たされたと言えるでしょう
ゼイン・ロウ
特設サイトでは、各アルバムのレビューが公開されている。また、Apple Musicではゼイン・ロウとエブロ・ダーデン(Ebro Darden)、音楽プロデューサーのナイル・ロジャース(Nile Rodgers)、『グラミー賞』にノミネートされたマギー・ロジャース(Maggie Rogers)がリストを振り返る特別番組も配信されている。
Apple Music「100 Best Albums of all time」
100位 Body Talk – ロビン
99位 Hotel California – イーグルス
98位 ASTROWORLD – トラヴィス・スコット
97位 Rage Against the Machine – レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
96位 Pure Heroine – ロード
95位 Confessions – アッシャー
94位 Untrue – BURIAL
93位 A Seat at the Table – ソランジュ
92位 Flower Boy – タイラー・ザ・クリエイター
91位 Listen Without Prejudice, Vol. 1 – ジョージ・マイケル
90位 Back in Black – AC/DC
89位 The Fame Monster (Deluxe Edition) – レディー・ガガ
88位 I Put a Spell on You – ニーナ・シモン
87位 Blue Lines – マッシヴ・アタック
86位 My Life – メアリー・J. ブライジ
85位 Golden Hour – ケイシー・マスグレイヴス
84位 Doggystyle – スヌープ・ドッグ
83位 Horses – パティ・スミス
82位 Get Rich or Die Tryin’ – 50セント
81位 After the Gold Rush – ニール・ヤング
80位 The Marshall Mathers LP – エミネム
79位 Norman F*g Rockwell! – ラナ・デル・レイ
78位 Goodbye Yellow Brick Road – エルトン・ジョン
77位 Like a Prayer – マドンナ
76位 Un Verano Sin Ti – バッド・バニー
75位 Supa Dupa Fly – ミッシー・エリオット
74位 The Downward Spiral – ナイン・インチ・ネイルズ
73位 Aja – スティーリー・ダン
72位 SOS – SZA
71位 Trans-Europe Express – クラフトワーク
70位 Straight Outta Compton – N.W.A.
69位 Master of Puppets – メタリカ
68位 Is This It – The Strokes
67位 Dummy – ポーティスヘッド
66位 The Queen Is Dead – ザ・スミス
65位 3 Feet High and Rising – デ・ラ・ソウル
64位 Baduizm – エリカ・バドゥ
63位 Are You Experienced – ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
62位 All Eyez on Me – 2Pac
61位 Love Deluxe – Sade
60位 The Velvet Underground & Nico – ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ
59位 AM – Arctic Monkeys
58位 (What’s the Story) Morning Glory? – オアシス
57位 Voodoo – ディアンジェロ
56位 Disintegration – ザ・キュアー
55位 ANTI – リアーナ
54位 A Love Supreme – ジョン・コルトレーン
53位 Exile on Main St. – ザ・ローリング・ストーンズ
52位 Appetite for Destruction – ガンズ・アンド・ローゼズ
51位 Sign O’ the Times – プリンス
50位 Hounds of Love – ケイト・ブッシュ
49位 The Joshua Tree – U2
48位 Paul’s Boutique – ビースティ・ボーイズ
47位 Take Care – ドレイク
46位 Exodus – ボブ・マーリー & ザ・ウェイラーズ
45位 Homogenic – ビョーク
44位 Innervisions – スティーヴィー・ワンダー
43位 Remain in Light – Talking Heads
42位 Control – ジャネット・ジャクソン
41位 Aquemini – アウトキャスト
40位 I Never Loved a Man the Way I Love You – アレサ・フランクリン
39位 Illmatic – Nas
38位 Tapestry – キャロル・キング
37位 Enter the Wu-Tang (36 Chambers) – ウータン・クラン
36位 BEYONCÉ – Beyoncé
35位 London Calling – ザ・クラッシュ
34位 It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back – PUBLIC ENEMY
33位 Kid A – レディオヘッド
32位 Ready to Die – ノトーリアス・B.I.G.
31位 Jagged Little Pill – アラニス・モリセット
30位 WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? – ビリー・アイリッシュ
29位 The Low End Theory – ア・トライブ・コールド・クエスト
28位 The Dark Side of the Moon – ピンク・フロイド
27位 Led Zeppelin II – Led Zeppelin
26位 My Beautiful Dark Twisted Fantasy – カニエ・ウェスト
25位 Kind of Blue – マイルス・デイヴィス
24位 The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders From Mars – デヴィッド・ボウイ
23位 Discovery – ダフト・パンク
22位 Born to Run – ブルース・スプリングスティーン
21位 Revolver – ビートルズ
20位 Pet Sounds – ザ・ビーチ・ボーイズ
19位 The Chronic – ドクター・ドレー
18位 1989 (Taylor’s Version) – テイラー・スウィフト
17位 What’s Going On – マービン・ゲイ
16位 Blue – ジョニ・ミッチェル
15位 21 – アデル
14位 Highway 61 Revisited – ボブ・ディラン
13位 The Blueprint – ジェイ・Z
12位 OK Computer – レディオヘッド
11位 Rumours – フリートウッド・マック
10位 Lemonade – Beyoncé
9位 Nevermind – ニルヴァーナ
8位 Back to Black – エイミー・ワインハウス
7位 good kid, m.A.A.d city (Deluxe Version) – ケンドリック・ラマー
6位 Songs in the Key of Life – スティーヴィー・ワンダー
5位 Blonde – フランク・オーシャン
4位 Purple Rain – プリンス&ザ・レヴォリューション
3位 Abbey Road – ビートルズ
2位 Thriller – マイケル・ジャクソン
1位 The Miseducation of Lauryn Hill – ローリン・ヒル
特設サイト:https://100best.music.apple.com/jp