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「K-POPらしい / らしくない」論争の背景にあるもの
ひとつの理由としては、欧米のトレンドやリスナーの視線を、もはや無視できなくなったことが挙げられる。
作曲に欧米の作家が参加していても、違いを生むのは集まった楽曲からどれを選び、どういった歌詞を載せ、どのようなプロダクトへパッケージングするのかという点だ。それは制作会社やプロデューサーの裁量に委ねられている。彼らが国際化する市場のニーズに応えようとするなら、リスナー層や欧米チャートの動向から、影響を受けずにはいられない。欧米がアジアに並ぶK-POPの重要市場になったいまでは、K-POPにも欧米のポップシーン、つまり「グローバル」ポップのトレンドへの同調圧力が、これまでとは比べ物にならない強さでかかってくる。
「K-POP」から「K」を切り離す。この言葉が、時代の変化とともに文字通りの現象になりつつあるのではないか。長年このジャンルを追ってきたリスナーからそうした懸念が出てくるのは、自然な流れだろう。
そしてこれがさらに加速すればどうなるのか。韓国のアイドル批評ウェブメディア『Idology』上でのクィビ(퀴비)氏の論考(※)が指摘するように、それは「韓国の事務所が手がけている」点に注目する理由の弱体化である。
※퀴비(クィビ). “2026 아이돌팝 세대론 : 4세대에서 5세대까지 ③” (2026年アイドルポップ世代論:第4世代から第5世代まで③). IDOLOGY. 2026.
https://idology.kr/18936
K-POPの制作メソッドやノウハウが真に国境を超えた普遍的なものならば、その担い手が韓国企業である必然性は失われる。韓国がシステムの「発祥地」であり続けたとしても、より大きなスケールでそれを上手く運用するプレイヤーが現れれば、主役がそちらへ取って代わられる可能性も否定はできない。実際フィリピンのBINIのように、K-POPの方法論を採用したアイドルグループのデビューは、東南アジアを中心にここ数年で増加している。
もちろん業界側もただ手をこまねいているだけではなく、次々と新たな実験を行っている。その代表格がCORTISだ。