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夢は国連で働くこと、だった
―とても素敵な話をありがとうございます。その想いで向き合っているからこういった音楽が生まれているんだなと納得しました。ちなみに今、大学では何を勉強されているんですか。
テヒョン:総合グローバル学部というところで「グローバルスタディーズ」を扱っていて、国際政治を勉強しています。僕、もともと、国連で働きたかったんです。それが夢だったんですよ。
―え!
テヒョン:いろんな国で生活する中で、アイデンティティに関して精神的に路頭に迷うときがあったんです。そこで僕の個人的な回答として、「世界の中のひとりである」というアイデンティティが生まれてきたんですね。1か国にルーツを置くより、地球をひとつに捉えて「人類」としてアイデンティティを持つ方が、もっと豊かな人生になるだろうと思って。それで思い立ったのが国連で、国際政治を勉強しようと。

―今は、国連の夢はやめて音楽の道を決断されたんですか。
テヒョン:コロナのときに「俺は音楽をやってないとダメだ」ってなったんですよね。コロナ期は勉強と同じ分くらい音楽をやっていたので、どんどん音楽に傾いていっちゃって。やっぱり得意なことをやった方がいいなと思って。音楽で成功するのも、国連の中で成功するのも、同じくらい難しいことだから、ちょっとでも自分が得意で楽しいと思える方に行った方がいいと思ったので音楽を選びました。
―HALLEYは1か国に留まるような音楽をやってるバンドではないと思いますけど、この先はどういった活動をしていきたいですか。
テヒョン:メンバーがそれぞれの活動をしつつ、意思を持ってHALLEYに戻ってこられるような、そういうバンドであれたらいいなと思ってます。それぞれがいろんなところで影響を受けて、それをHALLEYに持って帰ってくる、ということを続けたいですね。
晴は陶芸ができるし、心はLaura day romanceとかでサポートもやってるし、継はアメリカに行って教会で演奏してみたいとか言ってるし、直人も自分の曲を作りたいって言ってるので、それぞれが違う場所で輝きつつ、HALLEYとしてもっと輝けるというのが理想ですね。でも今はバンドを頑張って、まずはアルバムまで走り抜けようということをみんなで話しています。
―そういうスタンスも、最初に名前が出たBREIMENから影響を受けている部分もありますか?
テヒョン:ありますね。一番は、WONKさんの成り立ちが素敵だなと思っていて。「あ、こういうスタイルもいけるんだ」って(WONKのメンバーはそれぞれがソロプロジェクト、劇伴、芸術教育の研究、ゲーム音楽制作、プロデュース、エンジニア、料理、飲食店プロデュース、俳優など活動が多岐に渡り、メンバーで会社を経営している)。WONKは慶應のクロスオーバー研究会の先輩方で、僕もそこで一回演奏したことがあったり、「早慶戦」があったりするので、早稲田と慶應は関係性が近いのかなとは思います。
―最後になりましたが、「HALLEY」のバンド名の由来を聞かせてもらえますか。
テヒョン:そもそも、ブラックミュージックが大好きだからこそ、黄色人種であることに対する自覚が強いんですね。なので「YELLOW」を文字って「YELLA」にして、そこに聖書の詩篇に出てくる「セラ(Selah)」という音楽記号から「H」を取って「YELLAH」にして、それをひっくり返しました。そうしたら70年に1回現れる彗星の意味もあって、いいじゃん、って。それがHALLEYの由来です。

Digital EP『Daze』
9月1日(金)配信
形態:配信only
1.Whim
2.Set Free
3.Sugary
4.Clear Mind
5.Breeze
https://lit.link/halley
『自主企画ライブ(タイトル未定)』
日程:2023年11月26日(日)
会場:東京都 月見ル君想フ