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HALLEYが語る、芳醇なサウンドの背景と世界基準な感性

2023.10.3

HALLEY『Daze』

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メンバーそれぞれの音楽的ルーツと共通項

―テヒョンさん自身は、これまでどんな音楽聴いてこられたのでしょう。

テヒョン:僕は、母親と父親がクリスチャンなので、ずっと韓国人教会で育ったんです。その影響もあって、韓国とかアメリカのゴスペルをずっと聴いてました。あとはソウルとかも聴いていたし、中学校くらいからは韓国のR&Bに浸かるようになって。2014、15、16年が、今最前線にいる韓国のR&Bのアーティストたちが出てきた時期なんですけど、彼らの音源を聴きながらどんどん素養が積まれていって、そこから海外のR&Bとかも聴くようになって。高1くらいからはThe Internet、ダニエル・シーザーとか聴いてました。

日本の曲はあまり聴いてなくて。最初に「ちゃんと」聴いた日本の音楽は、藤井風さんとか。だからめちゃ最近です(笑)。カラオケで歌うためにaikoさん、平井堅さんの曲を覚えたり、学校の給食の時間にGReeeeNが流れていて歌詞を覚えたりはしましたけどね。

―今、日本にブラックミュージックをベースにしたバンドは多いですけど、ボーカリストであるテヒョンさんの身体に韓国R&Bが染み込んでいることがHALLEYのユニークさだと思うんですね。韓国R&Bやヒップホップに影響を受けている20代前半のアーティストは他にもいる中で、韓国ゴスペルがベースにあった上でR&Bを吸収しているというルートも個性的だと思いますし。ご自身としては、HALLEYでの歌唱法はどこから培ったものだと自覚していますか。

テヒョン:韓国のR&B、バラードが一番色濃いかもしれないですね。ナオル(BROWN EYED SOUL)、パク・ヒョシンとかをよく聴いてました。小さい頃はずっと、MelOn(韓国の最大音楽配信サービス)のチャートの1位から100位までをお父さんにダウンロードしてもらってウォークマンで聴いていたんですけど、その影響が大きいんじゃないかな。ゴスペルでいうとカール・フランクリン、BOYS II MENとかも聴いていたので、「韓国」と「アメリカ」という2つの国の音楽が大きいのかなと思います。

―他のメンバーのルーツはまた全然違いますか? それぞれ違うルーツがあって、それらの音が織られてHALLEYの音楽ができあがっているように感じます。

テヒョン:みんな「ブラックミュージック」という枠組みにはいるんですけど、それぞれ好きな音楽が広いですね。ベースの継もクリスチャンで、小さい頃からずっとゴスペルとかR&Bを聴いていたので僕と近くて。ドラムの直人は小学生のときに初めて聴いた盤がマイケル・ジャクソンで、ライブも録画してもらってずっと見ていたらしく。高校時代は軽音部で邦楽をやってたけど、大学に入ってゴスペルに目覚めて、今もゴスペルサークルと掛け持ちしてます。年長組――僕と継と直人が22歳なんですけど――は、結構ルーツが近いですし、ゴスペルの比重は大きいかもしれないですね。

ギターの晴は母親が香港系カナダ人で、香港で生活していて、高校入学のときに日本へ来たんですよ。最初に聴いた音楽がMETALLICAで、メタルがめっちゃ好きだったらしく、今もラウドロックとかを聴いてますね。でもフリージャズも好きって言ってたし、R&BやUKロックも聴くし、日本のインディシーンの音楽も聴くし。彼が一番、好きな音楽のレンジが広いと思います。キーボードの心はクラシック上がりで。吹奏楽でサックスも吹いていたらしいんですけど。ジャズやレアグルーヴが大好きで、最近は1980年代のソウルを聴いてるから、それが如実に表れたようなサウンドを提案してくるときがあるんですけど、「ちょっとこれはクサすぎる」とか言ったりして(笑)。

―でもその味が心さんの音色やプレイに出てますよね。ドラムのビート感でいうと、2010年代のジャズとヒップホップが接近した以降の文脈ともいえると思うので、その辺も聴いているのだろうなと。

テヒョン:めっちゃ聴いてますね。ロバート・グラスパーでドラムを叩いているジャスティン・タイソン、D’Angeloでやってるクリス・デイヴ、Questloveとか、彼もそうだし僕も聴いてます。

―EPに入っている楽曲のクレジットは作詞がテヒョンさん、作曲がHALLEYになってますが、普段はどうやって曲を作っているんですか?

テヒョン:曲によるんですけど。まず僕が叩き台を作って、そこからみんなで集まって書き上げていくことが多いですね。たとえば“Sugary”だったら、最初に僕がコード進行だけ考えて、みんなでジャムしてみて、そこから「このままだとライブ感が強いから」って編曲したり。

“Set Free”は、セクションAはドラムの直人が書いてきたリフで、そこから僕が他のリフを付け足したりメロディラインを作ったりしました。“Clear Mind”は、ギターの晴の家でギターリフから作っていたときに、急に僕が最後のCセクションのコード進行を思いついて――それもやっぱり韓国のR&Bとかスティヴィー・ワンダーの影響が強いんですけど――最後にみんなで編曲しながら作り上げましたね。

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