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哲学的コントとダンス。島地保武と環ROYが新作『あいのて』を語る

2023.9.29

東京芸術祭

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身体の練度の高さやファッション、物語など、様々な要素が高度にあわさるパフォーミングアーツの魅力

―環さんにとっては、身体ってどういうものなんでしょうか。ラッパーのキャリア初期から不思議な動きをされる方だという印象がありますが、そもそもパフォーミングアーツに関してはどんな興味を抱いていらっしゃるのですか。

キャリア初期、2011年の映像

環:2016年に『ありか』をつくって以降、コンテンポラリーダンスはかなり見るようになりました。海外のダンサーの来日公演も見るし、動画も見る。自分がやるかやらないかはひとまず置いておいて、時々劇場に行く、くらいの興味はあります。訓練された練度の高い身体、ファッション的な意味でのルックの探求、演劇の要素などが高度に合わさっているものに出会えることがあるので。

でも、そもそも僕は、複製を前提に創作されたもの、つまり音源なんですけど、その薫陶を受けて創作を始めたので、記録できるものとか残るものをつくりたいという志向性が強いです。(目の前のコーヒーカップをつかみながら)ひとつのオブジェクトのコンポジションが好きなだけで、空間全体に向かうという考え方は島地さんのほうが得意だと思います。いつも感心していますし、学びも多いです。それでも、唐津さんや島地さんが、いい動きをしているからパフォーマンスやってみなよと言ってくれるので、やらせてもらってる感じです。

島地:たしかに環さんは今回も、テクストを書くことにはエネルギーと情熱を注ぎ込んでいましたよね。逆に、空間を認識するとかそういうことに関しては……。

環:基本的に島地さん任せですもんね。まず経験の差がすごいので。

島地:僕の場合は、(カップを持ちながら)これをつくることも好きですけれど、(机上の複数のカップを移動させながら)じゃあこれをどういうふうに置いて、どの位置関係で配置して、どのタイミングで出てきて、入れ替わって、消えて、というようなことを考えるのが好きです。なんでしょう、「(複数の身体を配置・移動させる)重さ」を感じるのが好きですね。

環:だから、島地さんのほうがスケールがデカいのかもしれないです。

島地:いや、僕はもう身体から離れられないんで。環さんはきっと、身体から離れている時間のほうが長いんだと思うんですよ。たとえば本を読んでいて、喉が渇いたとかトイレに行きたいとか、肩がこったなとか思う瞬間以外は、身体を忘れてるでしょう?

環:それヤバいじゃないですか、早死にしそう(笑)。

島地:いやいや(笑)。逆に僕はこう話しているいまも、体重はここにあるな、と意識しちゃうんです。なんだかこう、身体に引っ張られちゃっている人間なんでしょうねえ……(しみじみと)。

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