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伝説的フェスの主催者が仕掛ける新しいストリートの胎動
Ginn:あと、もう無くなっちゃったんですけど、以前、面白いフェスがありました。タイにPanda Recordsっていう老舗レーベルがあるんですよ。そこのオーナーはポックさんという、タイのアンダーグラウンドを支え続けてる偉人で。ポックさんとその友人で『Stone Free Music Festival』という岩山で開催するDIYのフェスをやっていました。
ヒーローものの特撮で使うような岩山をバックに、金曜夜から日曜夜までぶっ通しで誰かしらがライブをやっていて、お客さんはテントを持参して寝泊まりし、気になった音楽が鳴ってたらテントからごそごそと這い出てくるスタイルです。大自然のなか、切り立った岩山に囲まれ、音がこだまする。天然のリバーブですね。もはや伝説のフェスとなってます。今、彼がやってるのが、『Bangkok Street Noise』という野外イベントです。これはほぼ毎週、場合によっては隔週だったり月1だったりするんですけど、日曜日にバンコク内のどこかの空き地でゲリラ的にライブをやるイベントです。
野村:へえ! ゲリラということは申請してないんですか?
Ginn:そこはゴニョゴニョさせておいてください(笑)。場合によっては警察が来て、どかされることもあるみたいなんですけど。実は、僕のバンドも今週の日曜日(※6月25日)に出演させてもらうことになってます。今、タイは雨季に入ってて、雨が降る確率も高いので、高架下の空き地でやるそうです。
ちなみに『Bangkok Street Noise』は全く無名でも出演OKなんですよ。出演してるバンドは、ノイズもあれば、ポストハードコアもいるし、ポップなミュージシャンもいる。あとは旅をしているミュージシャンがイベントを知って出演したりとか。間口はかなり広いイベントです。
野村:そういうストリートの取り組みから始まるカルチャーって、どの国でもありますよね。
Ginn:うん。ただ日本では、なかなか開催することが難しいイベントなんじゃないかと思います。勝手に軒先使うみたいな感じなので。僕らも無事に演奏できるのか心配です(笑)。
※追記:ライブが始まり、2曲目の中盤に差し掛かった辺りで警察が来たものの、主催者が話しをつけてくれて、無事に全曲完遂できたそうです。