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社会的な問題も私的な感情も、全部ひとつの、自分が生きているこの世界にあるものだから、どっちも歌うのが自然。(tami)
tami:フェスを自分で開催するのも、その感覚でやっていましたか?
後藤:『NANO-MUGEN FES.』は、洋楽と邦楽の垣根みたいなものが良くないなって思ったところから始まりました。お互いに対して閉じていて、でも音楽って繋がってるから、妙な谷を作らずにブリッジしていかないと、この先はないんじゃないかと思って。
この先はないっていうのは、自分たちのことでもあって。利己的な話で言えば、洋楽・邦楽を差別しない耳とか感性で聴いてくれる人が増えないと俺たちって評価してもらえる土壌がないなって思ったんですよね。だから、フェスをやって仲間を増やしてる感じはありました。リスナーも含めて、仲間を増やしていく。面白いものは対流の中から生まれたりするし、それを楽しめないと文化的には良くないよね、という気持ちだったんですよね。

tami:それを聞くと、若手のためにスタジオを作るということも根本は一緒というか、つながっている感じがしますね。
後藤:そうですね。ずっと「土」を見てる。
tami:社会的な問題について考えたりメッセージを発したりするのも、そういう土壌を意識する感覚からですか?
後藤:もちろんそうです。震災の時もコロナ禍でも、音楽は真っ先に不謹慎なものとされてしまう。みんなの心に余裕がないと音楽が楽しめないから、下地がしっかりしてないといけない。

tami:「ミュージシャンが政治の話なんかするな」とかって言う人がいるけど、私にとっては社会的な問題も私的な感情も、全部ひとつの、自分が生きているこの世界にあるものだから、どっちも歌うのが自然なんですよね。でも、まあ人の考えを変えるのは難しいので、自分がまずやって、「こういうのもありやで」って見せていくしかないですね。
さっき「心に余裕がないと」っておっしゃってましたけど、聴く側も作る側も、ほんとにそうですよね。私が田舎にスタジオを作ってよかったなと思うことのひとつは、来た人に余裕が生まれることなんですよね。星を見て鳥の声を聴いて、それで心にゆとりが生まれていいものが作れるっていう。
後藤:心の余裕ってことを考えると、働き方の問題とかも考えなきゃいけなくなってきますよね。「仕事が忙しくて、アルバム一枚作る分も休めないなんて変じゃない?」とか。だから、社会と音楽って意外と近いところにあるんですよね。そういうことはいろんな場所からいろんな人が考えたらいいんじゃないかなと思います。音楽やる人だけじゃなくて、みんなが何かを楽しむためにもう少しゆるく働けたらいいですよね。

TOKIO TOKYO presents『超存在感』
10月26日(木)
Open / Start 19:00 / 19:30
Ticket Adv / Door ¥3,500 / ¥4,000
出演:TAMIW、鋭児
U-23キャッシュバック(23歳以下のご来場者様には¥500が当日現金にてキャッシュバック)
高校生以下無料(30組限定)(既にチケットを購入されている高校生以下の方で、希望される方は、当日のご返金も可)
チケットの購入、詳細は下記URLより
https://hype-ticket.stores.jp/items/64d25e2e29403900350e374b