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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

始めての苫小牧探訪。山塚リキマルが見た、地元を愛する不良たちの文化

2024.10.8

#MUSIC

苫小牧市民会館

次に行ったのは『FAHDAY』の会場となる苫小牧市民会館だ。1968年につくられた由緒ある建物だそうだが、シンメトリーかつ奥行きがあって、壁材のパターンや窓のかたちには微弱なSF感(たとえばスタートレックのような)が漂っている。

1400名を収容する大ホールの音響はすばらしいそうで、矢沢永吉や山下達郎なども使ったことがあるのだという。ヤザワは知らんがヤマタツといえばとにかくハコの音響に厳しい事で有名だ。「音が悪いから」という理由で武道館ライブを拒み続けているあのヤマタツが出ているのだからして、たぶん相当にええ感じなのだろう。老朽化が原因で建て壊しが決まっており、『FAHDAY』が最後をしめくくるイベントになるという。駐車場をぼんやりとふらふらしながら、加藤君は『FAHDAY』の会場がここに決まるまでの経緯と、それにまつわる心情を話してくれた。その話はなかなか強烈かつ複雑で、僕は「やばいね」と何回も言った。そしてそのたび加藤君は「やばいっすよね」と不適な笑みを浮かべた。「わかりやすく敵がいた方が、戦いがいがある」と加藤君は言った。

加藤修平(かとう しゅうへい)
NOT WONK/SADFRANK。1994年苫小牧市生まれ、苫小牧市在住の音楽家。2010年、高校在学中にロックバンドNOT WONKを結成。2015年より計4枚のアルバムをKiliKiliVilla、エイベックス・エンターテインメントからリリース。またソロプロジェクトSADFRANKとしても2022年にアルバムをリリース。多くの作品で自らアートディレクションを担当している。
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