INDEX
伝統に紐づきながらも、シャープでフレッシュな音楽
実は、1980年代半ばから2010年ごろのジャズには、CDでしか聴けないものも少なくない。いまだ配信をしていないレーベルだってあるし、再発の見込みがなさそうな作品も多い。しかも、買おうとすると入手が難しくなっていたりする。今やCDだってレコードと同じような存在になりつつある。「好きなアーティストはCDを揃えてしまう」と語る戸嶋さんだけに、ウィスカにはしれっと希少なCDも置いてある。ちなみに僕が特に驚いたのはウディ・ショウのCDコレクション。これ聴くハードル高いんだよな、というライブ盤がかかることもあり、そんなところにもグッとくるのだ。

音量は控えめだし、かかっているCDのジャケットも実にさりげなく置かれている。音楽に関してはどこまでも慎ましく、だからこそゆったりとウイスキーを楽しめるのだが、それでもふっと演奏に耳を奪われるくらいに選曲はすばらしい。「伝統に紐づいた音楽」的なジャズのイメージも満たしながら、同時に1980年代半ば以降のジャズならではのシャープさやフレッシュさがノスタルジーとは無縁のムードを生み出す。それは想像以上にウイスキーと相性がいいことを、ウィスカは教えてくれる。
《ウィスカが選ぶ5枚》

・Roy Hargrove『Earfood』
・Walter Smith III『Still Casual』
・Jeremy Pelt『Tomorrow’s Another Day』
・Christian McBride & Inside Straight『Live At The Village Vanguard』
・Marcus Strickland『At Last』
ウィスカ(BAR UISCE)
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-10 新宿ゴールデン街G1通り2階
営業時間:18:00〜深夜
定休日:日
※営業時間、休業日はInstagram、Xにて要確認
https://www.instagram.com/baruisce/
https://x.com/baruisce