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主役はウイスキー、音量は控えめ
ゴールデン街G1通りの2階にあるウィスカは、シングルモルトやオールドボトルを揃えたウイスキーバーだ。店主の戸嶋さんは以前から、ゴールデン街でバーをやるために長年ウイスキーを買い集めながらコツコツと準備をし、目途が立ったところでゴールデン街の空き店舗が出るのを待って、2020年に現在の店をオープンしたそうだ。
店内はカウンターのみで、正面にはウイスキーのボトルがずらりと並んでいる。ゴールデン街というと昭和っぽかったり、サブカルっぽかったりみたいなイメージがあるが、ここはシンプルな内装のカジュアルなバーといった雰囲気で、いい意味でゴールデン街らしさを感じさせず、敷居が低い。

僕は酒に詳しくないので、多くは語れないが、ここではアラン、ロングロウ、ラフロイグなどをいただいたことがある。好みを伝えると「では、こちらはいかがですが? こちらのウィスキーは~」と教えてくれるので、合いそうなものを頼んで飲むことができる。またウイスキーが苦手なら、自家製の「瀬戸内ハニーレモン」をサワーで、というのもいい。ちなみに、メニュー表のない店内に、けっこういいお値段の日本のウイスキーだけプライスリストが貼り出してあるのは、近年海外のお客さんから日本のウイスキーのリクエストが多いのが理由だそうだ。

ウイスキーをゆったりと楽しめる店内では、いつも控えめな音量でジャズが流れている。会話を楽しんだり、ウイスキーの味や香りに意識を集中させるのを邪魔しない程度の、ちょうどいい音量でジャズが聴こえてくる。ここでの主役はウイスキー。ジャズはあくまでBGM。リクエストは受け付けていない。だが、この脇役なはずの選曲もウィスカの魅力になっている。
