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「いつも世界をひっくり返すつもりでやってるから」
ーそれぐらいのタイミングでSpotifyが大きく伸びて、ダンスミュージックがEDMとフェスにシフトしていったんだね。盛り上がってるんだけど、フロアのオーディエンスの足が止まってしまった。
杉浦:そうだね、2010年代にどんどん細分化されて、ジャンルは違うけど面白い組み合わせ、みたいなことがなくなったよね。
ー日本はコロナに入る前からクラブに20代があまりいないっていうのが問題だったと思うし、コロナでいったんリセットというかやり直しになったのかな。海外はパーティーが根付いていて、コロナを跳ね返して、さらに加速してる気がするんだけど。2010年代の思い出とか印象に残ってる曲とかはない?
杉浦:いやー、ほんとはっきり覚えてないかも。
ーでも24時間ひとりDJやったり海外でプレイしたりいろんなことがあったでしょ? そういう思い出に紐付いてる曲とかない?
杉浦:あんまりないんだよ。ほんと自分のことは覚えてない(笑)。でも人に話して面白がってもらえた話は割と覚えてるよ。たとえばThe Chemical Brothersの前座やった時にPink Floydの1stの“Pow R. Toc H.”をかけたらケミカルのクルーがみんなDJブースにきて、お前わかってんな! って言ってくれたこととか(笑)。


杉浦:でも俺、昔話ばっかりになるのが嫌なんだよ。それが悪いわけじゃないけど、まだまだ成長するって思ってるから。アーティストって呼ばれるのもずっと嫌だったんだ。なんでかっていうとバンドの頃からずっとお金をもらってやっていたから。芸術家って誰にも頼まれないのに絵を描いたり曲を作ったりすると思ってるんだけど、ここにきてもう俺は誰にも頼まれてないことばかりやってるでしょ? ほんとにこれでアーティストって言ってもいいかなって思った(笑)。
ー誰にも頼まれずにだよね。
杉浦:そう、期待もされずお金にもならないかもしれなくても。でもただ好きでやっていますっていうのとは少し違うんだよ。いつも世界をひっくり返すつもりでやってるから。
ー今回のアルバムは最初、杉浦英治のソロとしてやろうって言ってたじゃない。カテゴリーやジャンル関係なく杉浦くんの音楽として。
杉浦:それは宮下さんのショーの音楽と川村毅さんの演劇の劇伴をやったのが大きかった。二人ともまったく妥協のないアーティストだから、そういう人たちの期待に応えられたことに大きな達成感があったし、どちらも踊らすための音楽じゃなかったから。それとThe Alexxが同時にスタートしたことでもう一度バンドをやれたことも影響してる。だから今回のアルバムはかなりフレッシュな気持ちで作れた。最後はかなり追い込まれたけど(笑)。
SUGIURUMN『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』先行発売 Party!

2024年7月6日(土)
SHIMOKITAZAWA SPREAD
open / start 15:30
DJs : SUGIURUMN、YODATARO
Live Guest : 遊佐春菜
3,000円+1D
1999年のデビューから今年で25年となるSUGIURUMN。これまで常にフロアと向き合い、ダンス・ビートにメッセージを載せ続けてきた。去年の9月に長いキャリアを通して初の日本語詞によるオリジナル曲をリリース。その後も自身の歌も含め、数々のシンガーをフューチャーしながらカテゴリーを超えた音楽を発信してきた。そしていよいよこのプロジェクトもアルバムのリリースを迎える。まだ発表されていない楽曲を含め、アルバムには11曲が収録されている。それぞれのシンガーやリミキサー、デザイナーからスタッフまで関わった全ての人たちとのこれまでの物語とこれからの物語を詰め込みいよいよリリースとなる。アルバムはCDで8月にリリースだがこの日は先行発売を行う、どこよりも早くフロアで共にアルバムのリリースを共に祝ってほしい。
SUGIURUMN『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』

2024年8月7日発売
KKV-155
CD:3,300円
収録曲
1.True Story feat.Mirai Oukura
2.Midnight Club feai.mayu
3.Music Function feat.Hokuto Asami
4.All About Z feat.Haruna Yusa
5.Juveniles feat.Daiki Kishioka
6.Slowmotion Throgh The Night feat.ANI (スチャダラパー)
7.Razor Sharp feat.Jimme Armstrong
8.Love Degrees feat.Keiichi Sokabe
9.Rebel Boy
10.Into The Light feat.Jun Yoshimura
11.Butterfly Effect
1992年にインディー・バンド、エレクトリック・グラス・バルーンのシンガーとしてキャリアをスタート。1998年エレクトリック・グラス・バルーン解散後はSUGIURUMNの名義でDJ、ソロ・アーティストとして活動。これまでに9枚のアルバムをリリース、数多くのシングルやリミックスを制作しイビサではPacha、マンチェスターではSankysなど世界中のDJブースでプレイ。2019年からはTHE ALEXXとして再びバンドを始動、ダンスとロックを架橋したスタイルで一足飛びに大きな舞台へ飛び出した。またファンション・デザイナー宮下貴裕のTAKAHIRO MIYASHITA The Soloist. のコレクションのサウンド・トラックを担当。
自分が信じた音楽だけを追いかけ、振り返れば30年以上に渡る軌跡が彼の背後に続いている。 誰も彼のようには生きられないが、彼自身もまだ何者でもない。2023年の夏にスタートした初の日本語のオリジナル曲をリリースするプロジェクトが完成!ダンス・カルチャーが海外のようにシーンとして根付くことのなかった日本で戦い続けたDJ / Producerのリアルなユーモアとメッセージが個性豊かなシンガーをフィーチャーして登場!
レーベル予約受付中
https://store.kilikilivilla.com/v2/product/detail/KKV-155