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レーベルBASS WORKS RECORDINGSを立ち上げ、3年間毎週リリース
ーそうなんだよね。それから日本は2011年に震災があって、少しづつパーティーが盛り下がってくるんだけど、その苦しい時期にレーベルBASS WORKS RECORDINGSを立ち上げて毎週リリースをはじめるよね?
杉浦:BASS WORKS RECORDINGSは2013年にスタートするんだけど、プライベートでもかなりしんどい状況になってきて、あえてそこでワクワクするようなことをしようと思って。毎週少年ジャンプみたいに新曲をリリースする(笑)。
ー何年続いたの?
杉浦:3年、3年間毎週。
ーでもその3年間の間にもシーンは少しづつ冷めていったような感じだよね。
杉浦:そうだね、いろんなジャンルやDJのミックスみたいなこともなくなっていったよね。
ーBASS WORKS RECORDINGSがはじまったあたりで杉浦くんのサウンドもテクノによっていったよね?
杉浦:BASS WORKS RECORDINGSをはじめるちょっと前に、ちょうどリッチー・ホウティンの『Enter』がはじまったあたりでテクノの良さに気がついて。『Enter』がスペースではじまって、ルチアーノのパーティー『CADENZA』がパチャで、マルコ・カローラの『Music On』がアムネシアでスタートしてっていう頃。
ールチアーノとリカルド・ヴィラロボスが熱狂的に受け入れられた時だよね。あのテンポの遅いテクノでめちゃ深いサイケデリックを表現するのが衝撃だった。俺はもうそこに飛び込んではいけなかったけど、あれは俺にとっての1990年代後半のトランスと同じ匂いがした。若い世代にとって無条件で熱狂できるパーティーだったよね。
杉浦:ハウスをテクノのかけ方してるっていうか、あの感じは本当に刺激的だった。あのハイハットがひとつ入るだけでフロアが大爆発するっていう(笑)。しかもめちゃ可愛いくてオシャレしてる女の子も狂いまくるっていう。ルチアーノの曲もフロアで聴いてるのと家で聴くのでは全然違うよね、ほんとにこの曲? みたいな。DJもすごいんだけど、お客さんがそれ以上にすごいんだよ。
ーそうだね、そう思うとスヴェン・ヴァスの『Cocoon』がはじまりだったんだね。
杉浦:スヴェンがいちばんすごいかも。リッチーもルチアーノもヴィラロボスも『Cocoon』でやってたから。コクーンは長いから全然いけてない時もあるんだけど、必ず戻ってくるね。