2023年に海外向けのPR施策を実施した日本国内のアーティストのサマリーデータが公開された。
公開されたデータは、エンターテインメントコンテンツおよびIP(知的財産)の多言語PR / マーケティングを支援するグローバルPRエージェンシー・Vegas PR Groupによるもの。同社が担当した国内アーティストの海外PRにおけるニュース記事の掲載率がまとめられている。
掲載地域を北米、中南米、中国語圏、アジア・オセアニア、ヨーロッパの5つに分けたうち、総合的に最も掲載率が高かった地域は北米で35.1%、次いでヨーロッパで24.2%となった。さらに、国内アーティストのジャンルを「J-POP」「アイドル」「ロック」の3つに分けた詳細なデータも合わせて発表された。
J-POPでは、北米での掲載がおよそ1/3と最多で、次いでヨーロッパ、中南米という結果を記録。アーティスト別の施策状況を見てみると、ロンドンを拠点に活動し、2022年には『Coachella』にも出演した日本人アーティストに関するプレスリリースは、北米・ヨーロッパでの掲載が目立ったものの、中南米で人気のアーティストの楽曲をカバーをしたことで、メキシコを中心とした中南米での掲載も多く獲得。特定の地域で人気のアーティストを絡めた展開が、その地域でのファン獲得やメディア露出の増加に有効であることもわかった。
また、アイドルジャンルでも、北米での露出が最多である一方、アジア・オセアニア地域での露出も30%を超え、中国語圏も含めると、北米地域とほぼ同じ掲載率に。アジア地域ではアイドル文化が根強いことが改めて伺えるが、Vtuber関連のアイドルのニュースもアジアでの掲載率は43.4%と他の地域よりも顕著に高くなった。この結果は、Googleトレンドで「Vtuber」という語句を検索する国のランキングの上位がアジアの国によって独占されている結果と連動しているため、Vtuberもアジアと親和性の高いジャンルと言える。
一方、ロック(メタルを含む)ジャンルでは、ヨーロッパで40%近く、次いで北米、中南米という結果に。中南米ではアニメが広く人気であり、アニメの主題歌にロックバンドの楽曲が多く採用されている背景から、アニメ主題歌を担当するアーティストに関連するニュースが中南米でのコンスタントな掲載に繋がったと考えられる。また、メタルでは、ヨーロッパの中でも特にオランダ、フランス、ロシアなどの国での掲載が多い傾向が見られた。