INDEX
第6話で「全領域異常解決室」の謎が明かされた

第5話当日、新聞のラ・テ欄には異常な紹介文が並んだ。
「ラスト3分で全てが変わります」
そして、第5話のラスト3分と第6話の冒頭で、興玉によってゼンケツチームのほぼ全員が「神」であることが明かされた。八百万の神々の魂は、それぞれ人に宿り、人と同様の一生を過ごした後に、肉体の死後は魂が新たに生まれた赤児に宿るのだという。物心がついた時には神としての記憶を思い出すが、姿形は人と同じなので、周囲の人には気付かれることなく一生を終えていく。ただ、中には人知を超えた能力を持つ神も居て、その能力を使った不可思議な事件を起こしてしまう。そうした事件を人に気づかれることなく丸く収めるのがゼンケツの本来の仕事であったそうだ。

しかし、ヒルコ事件が起きてからは状況が変わる。謎の神・ヒルコが行う「神隠し」では、神の魂を消す=神としての記憶を消す「事戸渡し(ことどわたし)」が行われていたのだという。神としての記憶が消された状態で肉体が死ぬと、その神は魂も永遠に消え去ることになる。第1話冒頭で興玉が紹介した神隠しの5人の犠牲者は実は全員が神で、その魂は永遠に戻ることはない。そんな神隠しは、ゼンケツの長い歴史の中でも起こることは無かった。八百万の神々には、それぞれの役割があり、自然の恵みや平和をもたらす和魂(にぎみたま)を生み出す。神が減れば不幸が増え、世の中は荒廃していく。ヒルコの正体を暴き、神隠しを止めるための戦いが第1話~第5話では描かれていたという訳だ。
第6話では小夢も神であることが明かされ、更には、ゼンケツメンバーとも元々つながりがあったことが小夢自身から明かされた。
舞台は整った。ゼンケツメンバー全員が、自らは神であることを自覚し、能力を知り、いよいよヒルコとの全面対決に発展しようとしている。
令和ならではのオカルトドラマへの期待

第7話を前に、脚本の黒岩は、驚きのメッセージを視聴者に送っている。
「この物語は7話から始まります」
いよいよ全登場人物の背景が出揃った第6話を終え、これから先、何を描こうとしているのか。内容としては、ヒルコの正体が暴かれ、いよいよ本格的な能力バトルがヒルコとゼンケツの間で繰り広げられることになるだろう。これから警察や内閣官房の関係者の中にいる、ヒルコからの内通者についても描かれるのだろう。初回から怪しい荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)や、何かと攻撃的な二宮のの子(成海璃子)、人畜無害そうに見える北野天馬(小宮璃央)がどのような変貌を遂げるのか、今から楽しみだ。ただ、それだけでは終わって欲しくない。陰謀論やフェイクニュースが一般化した令和以降だからこその創作として、オカルトドラマが作られる意義がきっと、あるはずだ。

黒岩がXで書いている通り、1話から見直すと、色々と合点がいくシーンも多かった。そして、改めて全話を通しで見ると、これまでの各話で描かれてきたのは歪な愛の形だった。だからこそ、死んだ(居なくなった)人(神)を悼む人々の想いに感動する。その想いに重なるように流れるTOMOO”エンドレス”。なるほど、神の魂は何度も蘇り続ける輪廻転生、遺伝子の二重螺旋。
たとえるなら 二つのリボン 結び合わせないままでもいい
TOMOO”エンドレス” 歌詞より
並んでただ続いていく 螺旋を描けたなら
『全領域異常解決室』

フジテレビ系にて毎週水曜よる10時から放送中
公式サイト: https://www.fujitv.co.jp/zenketsu/index.html