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山本奈衣瑠インタビュー 彼女がインディーズ映画の「ミューズ」になった理由

2024.11.25

#MOVIE

フリーマガジン編集長として。「自分より年下の世代に、なるべくいい種を渡したい」

―モデルとしてのキャリアからスタートして、20代後半から俳優の仕事が増える中、『EA magazine』(※)の編集長をされて、ご自身の関心ごとの発信も積極的にさているじゃないですか? リアルタイムで、レスポンス早く、自分からの発信にトライされている意図は?

※『EA magazine(エア マガジン)』:山本奈衣瑠が自ら創刊し、編集長も務めるフリーマガジンで、社会のあらゆる課題や問題を考えるきっかけ作りを目指している。これまでkemioやギャル雑誌『姉 ageha』編集長の小泉麻理香、小袋成彬などが登場した。

山本:自分より年下の世代に、なるべくいい種を渡したいっていう気持ちがあります。私からの一言だったり、書く文章で、なるべく多くの方に届くポジションに今いるのであれば、うまく使いたいと思うんです。社会を変えるためとか、そういう目的があるわけじゃなく、自分が若い時間を生きているときに、これが足りなかったというものについてすごく自覚しているから。その時、必要なことを教えてくれなかった大人たちや環境が残念ながらあるっていうこともすごく感じています。

知識を得たり、自分が変わったり、発展するきっかけを得る人との出会いと選択の数は、早ければ早いほど、多ければ多い方がいい。そういう意味で、なるべくそういうことはトピックとして触れたい。それは年下の人間に対して、普通の振る舞いだと思っています。発信の仕事をしているから、何かができなくなるとか、私は嫌だなと思っちゃうタイプなので、なるべく等身大で感じたことは言う。そしてみんなとシェアしたい。別に押し付けがましく意見したいわけじゃなく、会話をするきっかけが欲しい。それは年齢、性別関係なく、誰とでも。日常のバグみたいなものをたくさん起こしたいんです。

山本:ちなみに、『SUPER HAPPY FOREVER』で演じた凪は、ZINE(個人が作る少部数の小冊子)を作っている人という設定だったのですが、撮影当時、私も実際にZINEを作っていて、販売などをしていたんです。それは誰かに頼まれてなくて、自分が好きで作っていたんですけど、それを五十嵐監督が劇中、そのまま使ってくれています。あの映画は、なくなるものと、それでも存在するものの話だと解釈しているのですが、写真はそのひとつのアイテムですよね。私も本当にZINEを作っていて、普段から写真を撮っていたし、古着も好きだし、凪役を通して、自分のカルチャーが反映されています。

―ご自身が団地育ちで、カルチャーとの出会いが薄い場所で育ったことを公言されています。郊外の大型団地で育ったことを作品にしている安野モヨコさんの持つパワーとの共通項も感じます。

山本:そうですね。自分がどこで育って、どんな環境にいたかっていうのは、やっぱり自分を作っているものだから、そこを無視しない方が面白いって思っています。過去は今から変えられるもんじゃないじゃないですか。当時感じた時の私の感情は私だけのもの。だから、普段から、当時の声は聞くようにしてますね。

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