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実写化=10年前の松居大悟と高木ユーナの「殴り合い」
─完成した映画をご覧になって、高木さんは「初鑑賞中はあまりの素晴らしさに自分の血が沸騰する音が聞こえました」とコメントされていました。どんな点が素晴らしかったですか?
高木:観ているとね、ペンにインクをつけて手の小指側面を黒くしながら描いていた当時の自分をまざまざと思い出すんです。試写室の椅子に座っているのに、作業部屋の安いパソコンチェアでひたすら悪戦苦闘していた10年前に立ち返ってしまって。「血が沸騰する」より「逆流する」と言ったほうが正解かも。そのくらい、インパクトがありました。
松居:高木さんの初期衝動も掘り起こせたんですね。
高木:原作とは異なるセリフも、「私、このセリフ考えたことあるわ」って感じるくらいシンクロしてしまって。当時の自分と対話したみたいな気持ちになったんですよね。
松居:そういう意味で言うと、僕も10年前の自分と高木ユーナの「殴り合い」というか。互いの初期衝動にどう食らいついていくか、すごく悩んでいました。でも風穴を開けてくれたのが、演じてくれた見上さんと佐藤さんの存在で。