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最終回を迎えるドラマ『海に眠るダイヤモンド』第1話から仕掛け続けられた謎を考える

2024.12.22

#MOVIE

日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』©TBSスパークル / TBS
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』©TBSスパークル / TBS

ヒロイン3人の生命力

楽しそうに話す朝子と百合子とリナ(池田エライザ)©TBSスパークル / TBS
楽しそうに話す朝子と百合子とリナ(池田エライザ)©TBSスパークル / TBS

鉄平の日記から見えてくる端島の日々、その輝きは鉄平だけのものではない。玲央が、写真に映る百合子や賢将(清水尋也)の姿に喜び、日記を読んで進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)の幸せについても知ったように、彼の幼馴染たちの人生の輝きも見えてくる。

視聴者である私たちは、鉄平の日記には書いていない=鉄平が見ていない、それぞれの愛しい日常や秘密も知っている。それは、進平がリナを守るために人を殺してしまったこと、出産に不安を感じる百合子を抱き寄せる賢将の姿。イキイキとした日常の影には、犠牲や不安があるのだ。

出産について話す賢将(清水尋也)と百合子©TBSスパークル / TBS
出産について話す賢将(清水尋也)と百合子©TBSスパークル / TBS

思い返せば、『海に眠るダイヤモンド』の前半は、3人のヒロインの生命力が、物語の軸になっていた。自分の人生に絶望しながらも端島に根を下ろそうと懸命に生きるリナ、被ばくした経験を持ち、自身の将来に不安を感じながらも気丈に振る舞う百合子、端島の食堂の娘として休みなく働き、百合子に背中を押される形で屋上緑化に取り組んだ朝子。それぞれが、自分の人生に横たわるままならなさを飲み込みながら前を向く姿は、作品が持つ生命力そのものだった。

特に、現代パートではいづみとしてIKEGAYA株式会社の社長になっている朝子からは、自分の人生を生き抜いてきた力が感じられる。第6話では、園芸部の活動に精を出す朝子の瞳に宿る情熱に、後のいづみの堂々とした強さが見え、鉄平との思い出を玲央に話すいづみの照れた様子には、朝子の可愛らしさが見えた。杉咲花と宮本信子の素晴らしい演技のたまものだ。

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