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端島から人間の営みを現代に捉え直す

『海に眠るダイヤモンド』を見ていると、日々の生活はこんなに熱く、繊細で、愛しいものだったのかと気付かされる。現実における人と人のつながりが希薄になった現代に、活力と希望にあふれ、濃密な人間関係が築かれた端島を描くことは、人間の営みを捉え直すことにつながるのだ。
今の時代、人と人のつながりや生活の尊さに自覚的でい続けることは難しいだろう。ホストとして働く玲央がそうであるように、愛情は目に見えないからこそ、自分のものも相手のものも蔑ろにしてしまう。自身のルーツを辿った先にはきっと、誰かが誰かを想うあたたかな気持ちが存在しているのに。

玲央は、いづみと血縁関係がないことに落胆していた。自分のルーツを知りたいという気持ちが無意識にあったのかもしれない。願わくは、鉄平の日記が玲央のルーツを紐解き、祖先が育んだ愛を知ることにつながっていくと思いたい。
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』

TBS系にて毎週日曜よる9時から放送中
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/umininemuru_diamond_tbs/