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『フジロック』と参政党について
―Xを見ていると、いわゆる参政党の話とかが出た時に、どんどんその中で分断が先鋭化していって、例えば「『フジロック』にはそういう思想の人は来るな」とか、参政党的な人たちからすると「逆に差別していいんですか?」「ロックフェスに行こうとこっちの自由じゃないですか」みたいなやりとりが起きてて、複雑な気持ちになっちゃうんですよね。
寺田:『フジロック』にも参政党の影響が出てるんですね。人それぞれ理解をしてもらうための順序や時間というのはあると思うので、今、参政党を支持している方々に対して、支持していない側との話をどう組み合わせていくかというのは、あんまり焦ってやってもうまくいかないし、より対立を煽るんじゃないかなと正直思っていて。だから放置したいとは思わないですけど、焦って何かすること自体は効果がないと思うので。
『フジロック』の創始者の日高(正博)さんと仲良くしているフグ屋の主人と僕も仲が良くて、色々な話を聞いたんですけど、日高さんが「北朝鮮で『フジロック』やるのが夢だ」と言っているのを聞いて、「すげえなって、そういうことだよなロックって」と思って。今その参政党を軸にしながら『フジロック』を語られているのは忸怩たる思いだろうなあと。日高さんはあまり多くを語られていないですけど。
諦めちゃダメだと思うんですけど、急いで今何かこの考え方をまた塗り替えようというのは難しいと思うので、そういう思いをされる方々も当然いるというのをちゃんと理解した上で、一歩ずつお互いの意見に折り合いをつけて、みんなが幸せに、できるだけ幸せになる方向に持っていけないかなと思うし、そういうことを政治は諦めずにやっていかなきゃいけないと思いますけど。
―インターネットの中だけ見ていると、もうまるで逆になっている感覚です。
寺田:ものすごく心配ですよ。そういうものを超越したところに、ああいうロックとかフェスはあったはずなのに、そういうところにまで影を落とすというのは。『フジロック』は何党支持者でも全部飲み込むんです。ボードウォークを歩いている間に、そういう何か大きな既存の、娑婆の思いを捨てるところが苗場なんですよ。パレス・オブ・ワンダーで、国籍構わず罵り合いながら最後抱き合っていればいいんですよ(笑)。
