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タブーを恐れぬ異色の国会議員・寺田学。右傾化が進む時代に何を思う?

2025.8.20

#OTHER

意思決定層も人生を楽しんで生きるべき

ー愚問かもしれないですけど、寺田さんみたいな遊び方をしている議員さんは他にいるんですか?

寺田:「クラブ」というと、銀座のお姉ちゃんの方になっちゃってる人は掃いて捨てるほどいると思いますが、ダンスミュージックが好きな人はいないでしょうね。自分は問題意識を持って風営法の改正に取り組んできて、最初の組み立てまではやったんです。でも選挙に落ちて自分がいなくなり、本当に音楽が好きな人がいない状態になってしまった。それもあって、やっぱりまだ警察の「夜な夜な男女が暗闇で酒飲むと悪いことする」という固定観念を覆せなかった、中途半端な改正に終わってしまった。コロナの時もフェスを救いたい、クラブを救いたいということで持続化給付金などの話を持ってきたんですけど、自分が色々やっている時に「実は俺も!」みたいな感じで寄ってくる議員もほとんどいなくて、もしかしたら自分ぐらいしかいないのかなと。

ーおっしゃるように、クラブに対する悪いイメージはあるし、クラブに限らず夜の街でよろしくないことが起こっている部分も多少は当然あるわけで。日本はその辺を完全に潔癖化しないと駄目なのかな、という気もしてて。

寺田:ヨーロッパって、やっぱり人生を楽しむことに対してものすごく正直だし、前向きで、そうあることに対してみんなも当然だよね、と思っている空気がある。逆に日本は楽しむことは何か申し訳ない、仕事を休むのも「お休みをいただく」みたいな感じになっちゃっているので、慎ましやかにやらなきゃいけないし、何か問題が起きたらそれがクローズアップされるというのがあって。

ただ、ヨーロッパで言えば人生を楽しむ大きな部分に音楽があったり、それによって何かしらトラブルが起きるのであればちゃんと対処するわけで、夜にクラブで遊ぶこと自体を罰とはしない。例えばイビザでは笑気ガスが社会問題になりましたけど、音楽を取り上げるかというと、音楽を維持した上でドラッグの問題を取り締まるというのはあるべきだと思うんですよね。

日本はドラッグ問題が起きたら、起きたその場自体を否定するみたいな(風潮が)あってつまらないですよね。それって意思決定する立場の人間が、人生を楽しんで生きていないからだと思うんです。自分が人生を楽しまないと、誰かが人生を楽しんでいる場を消し去った時に何の心の痛みも感じないし、より窮屈な世の中になっていく連鎖になると思うので。意思決定層は遊んでいればいいってことではないですけど、人生が楽しい、人生を楽しむというのは当たり前のことだし、それをみんなが謳歌するべきだという立場に立った人がやるべきでしょうね。

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