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鈴木実貴子ズが体現する、怒りと葛藤をないがしろにしない生き方

2024.11.28

鈴木実貴子ズ

#PR #MUSIC

エンタメを省いたところにある美しさ

ーソロで活動していた鈴木さんが色々な人とスタジオに入ってみる時期があり、そこでズさんと一緒にやることになったそうですが、当初はもう一人ギタリストがいたんですよね。その人が辞めて2ピースバンドとして活動されてますが、バンドサウンドとしてはやはり欠けているじゃないですか。それでも2人で続けているのは「これでいける」と確信を持ったタイミングがどこかであったのかなと思うのですが。

鈴木:ないんですよ(笑)。

ズ:今でもバンドとして成立してないんで(笑)。それがめちゃくちゃ悩みなんですよね。たまにサポートメンバー入れてバンド編成でライブやると「これでしょ、最高!」みたいな気持ちになるし。

鈴木:でも、意外とお客さんは2人編成が好きって言ってくれるから、バンドはバンドでやりたいと思うけど、2人でも別にいいかなとも思う。

ズ:種類が違う感じがしますね。バンドでやるとすごく音楽的になるし、2人でやると音楽からちょっと離れて一つの表現としてやるという気持ちになる。お客さんが2人の方が好きというのもすごくわかる。ただ、誘惑があるよね。

鈴木:うん、ベースとエレキの音の誘惑に負けるんだよね。他のバンドを観てても、「やっぱエレキないとあかんやん」と思うもんな。でも、うちがバンド編成でやると、武装した気持ちになってちょっと調子に乗るんよね。音も大きいし、無敵感みたいなのが出ちゃう。でも、それは嘘やん(笑)。調子に乗りすぎるのをセーブするという意味では2人もいいかなと思う。

ー衣装とか演出を作り込むステージの良さもありますけど、それは鈴木実貴子ズのやり方ではないと。

鈴木:そういうのも楽しいと思うけど、自分がかっこいいと思ってきたものは違うかもしれない。ライブ中のサンボマスターの形相とか、そういうところに美しさと人間らしさを感じるから。パジャマのままでライブやってほしいし、生身の人間をライブに求めちゃう。

ズ:エンタメを省いたときの美しさみたいなんがあるよな。

鈴木:そうそうそう、言ってしまえばメジャーと逆なんだよね。吹き溜まりみたいなところにギラっと光るものこそ真実やっていう思想だから。

歌いたい事はTシャツみたいな 生活に馴染んだ飾り気のない物
着古した布の 内側のようさ 伸びきった肌着 薄くなった靴底
明日も要らない 未来もいらない 安心も要らない 今だけが欲しい
そんなんじゃだめか そんなもんじゃだめか 値札の付かない人生の売り場               

鈴木実貴子ズ“夕やけ”

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