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新時代のストリートアートは多様な表現へと進化する
さらに展⽰は、まさに今活躍し、⾼い評価を受けているストリートアーティストたちの作品へ。全員名前と作品を覚えて帰るくらいのパッションを持って⾒つめたいエリアだ。例えば、波やフェルメール絵画を柔らかなタッチで描いたアンドレア・ラヴォ・マットーニの作品は、筆を使わず全てスプレーのみで制作されている。⾃⾝はストリートアーティストである、という強い主張と矜持のようなものを感じるスタイルだ。

また、鮮やかなブルーのキャンバスにハングル⽂字のような不思議な模様が描かれているのは Raulの作品。作家にとってこの独⾃の⽂字を描くことは、癒しや安寧への祈りのような意味があるという。会期中、渋⾕ストリームのパブリックスペース床にもこれと同じタイプの⼤型作品が展⽰されている。駅へ急ぐ⼈たち、スターバックスのテラス席で賑わう⼈たちの⾜元に、この「謎の儀式的な模様」が展開されているのは不思議な光景だった。込められた意味を知り、信じる⼈が増えていけば、いつか本当にこれは魔法の呪⽂になるのかもしれない。