INDEX
R&Bというルーツを持ってる人たちみんなが食えるシーンを作りたい。(SIRUP)
―個人的には、Shin SakiuraやMori Zentaroなど、SIRUPと一緒に成長してきたアーティストがBMSGのシーンで再評価されるっていうのが嬉しくて。客観的に見ていて、やっぱそれぞれシーンを育成してきた2人だと思います。年齢的には新人アーティストではなくなってきたわけで、どういう風に今の自分を見てるのかっていうのを聞いてみたくて。
SIRUP:自分はそろそろ口に出していかなあかんなと思ってるんですけど、10周年に向けてやりたいことがある。今の日本はHIP HOPは盛り上がってきているけど、R&Bの認知っていうのがあまりないから、R&Bというルーツを持ってる人たちみんなが食えるシーンを作りたい。今の状況を客観的に見て、「やるなら自分しかいないな」って思ったから、今それに向けてやれることを動いてるっていう感じですね。
SKY-HI:めっちゃ分かる。本当に今言ってくれたようなことをやりたいんだな。それこそアイドル、ボーイバンド、ダンス&ボーカル、言葉は何でも良いんだけど……日本はアイドルっていう言葉がガラパゴス成長してっちゃったから、何を指してアイドルかっていう論争を本当にしたくない。
これは半分諦めているんだけど、ちゃんと批評できるメディアが無くて。なんでかって言ったら、ファンがキレるんだよね。紙だと辛辣なこと書いたりする媒体も少しは残ってるけど、ウェブメディアで批評めいたことをやったら、ただただ炎上する。でも、そういう状況って健全なシーンの育成に繋がらないじゃん。批評できるメディアが存在しないから、誰かもよく分からない人の投稿がSNSでインプ集めちゃうわけでしょ。そういうのって、ネガティブな方がインプ集めるし。インプ集めたら、それがまるで正論かのようになるじゃん。でもそこは、素人に任せちゃいけない分野だから。

―40歳という分岐点を捉えるなら?
SKY-HI:意識してることはいっぱいあるけど、一言で言うなら「正しくビビリ続ける」。もうこれは避けようがないから。年齢もキャリアもさ、増えてきこそすれ、減らないじゃんね。から、自分もSIRUPも功績と言われるようなものがあるわけで、人によっては、それ自身が圧になる可能性があるっていうことに対して、常にビビリ続けるっていうことかな。
たとえばちゃんみなと『No No Girls』をやった時は、ちゃんみなっていう絶対的なプロデューサーもいるし、間違っても自分の存在を意識して欲しくなかったんだよね。参加者たちはちゃんみなだけを見て、対話していかないと雑念になっちゃうから。とは言えちゃんみなって、まだ26歳の女性、しかも初産。だから責任の分散として、大人として、自分がやる仕事はあると思ってずっと付いてはいたけど、極力圧にならないようにと思ってた。
SIRUP:客観的に見まくっているよね、常に。
SKY-HI:若い頃は若い頃で、功名心とか承認欲求をメラメラに燃やしてるのがカッコ良さにもなったりするけど、年齢とかステージによって、そういうのが卑しさになっちゃう可能性もあるから。丁寧にほうきとちりとりで心の掃除をして、「ここだったら人を招いても大丈夫かな」っていう、心の部屋は常に綺麗にしておかないといけないよね。
SIRUP:社長とかプロデューサーとかいろんな呼ばれ名があって、それでもやっぱり人間としての「日高」がいるわけじゃないですか。その人間の部分を見つめようと意識してるのか、ワーッて走り回ってる途中でぱっと出てくるのを感知するのか、どっちなんですか?
SKY-HI:社会の中での自分とかも関係なく、哲学の意味でのエゴってことだよね。
SIRUP:そう。消し続けてるじゃないですか、今の話で言うと。
SKY-HI:いや、消えないでずっといる。そいつがずっといるからこそ、丁寧に心の掃除しないとって考えてる気がするな。HIP HOPとかラップの文脈って、延々と自己紹介する職業でもあるわけじゃない。
SIRUP:「これが今の自分なんですけど」っていうね。
SKY-HI:そうそう。自分のことばっかり書くから、自意識と向き合う機会は多分人より絶対に多いんだよね。だからこそ、自意識を肥大化させるための毎日を送らないことが大事っていうか。自意識をちゃんと持ってるからこそ、それをそのままいさせるために、心の部屋を綺麗にしておくと、そいつも居心地良いし。誰かがそこに来たとしても、極力不愉快なく帰ってもらえるようにできるのかなとかを考えてる。

SIRUP:アンダーソン・パークと話す機会があったんだけど、彼も「セッションするとき大切なのはエゴを無くすこと」って言ってて、やっぱそうなんやって思って。誰かと一緒に曲を作るってなった時は、「良い曲を作る」ことを目標にするのがベストだから。
SKY-HI:それこそ、ダンス&ボーカルを志してる人とかに「どうやったら個性を出せるか」って聞かれるんだけど、「出そう」として出すもんじゃなくて、「消そう消そう」としても出てしまうものを人は個性って呼んでる。だから、基礎的な能力が上がれば上がるほど、個性を出そうというのはわざわざ考えずとも、ただ自分の「好き」とか、「こういうのは楽しい」とか、そういうプリミティブな喜びをピュアに追求すると、おのずとうっかり出てくるから。それを獲得する前に、好きなアーティストに寄せちゃったり、勝手に他人の服を着ようとしちゃ駄目な気がするのよね。みんな個性豊かですよ。見てよ、この取材現場もめっちゃ個性豊かじゃない(笑)。
SIRUP:そうですね、この面々。
SKY-HI:特に個性豊かな現場な気がします。
SIRUP:でもほんと、それやわって思った。ほんまにプリミティブに、みんなで曲を作るにしても楽しいしかないし、結局、どこに行っても、楽しみがね。大事ですね。すごいインタビュー。
―では、残りの話しは『Grooving Night』に取っておいてもらって。
SKY-HI:そうか、まだ本番がある。
SIRUP:本番があるんだよ。めちゃくちゃ面白かった。
―2人があまりにも通じるところが多くて、喋っている途中なのに「めっちゃ分かる」みたいになってるのが面白かった。ありがとうございました。

『Grooving Night vol.5』
【出演】 ホストアーティスト:SIRUP/ゲストアーティスト:SKY-HI
【会場】 オリックス劇場(大阪)
【日程】 2025年3月29日(土) 18:00 開演(17:00 開場)/ 20:30終演予定
【チケット】※税込
Groovingシート(特典グッズ付き)¥13,000、Groovingシート(特典グッズなし)¥11,000 共にSOLD OUT
1階・2階指定席¥8,000 SOLD OUT
3階指定席¥6,800、車イス・ユニバーサル席¥8,000
※U-22は各席種¥1,500引き(公演当日22歳以下、顔付身分証提示で代金引換)
※未就学児入場可。2歳以下のお子様は保護者(大人)1名につき、1名まで膝上鑑賞無料。 但しお席が必要な場合は有料。
※チケットはお一人様一公演ごとに4枚まで
【一般発売】 チケット発売中
イープラス:https://eplus.jp/groovingnight/
ローソンチケット:Lコード:53422
URL:https://l-tike.com/groovingnight/
チケットぴあ:Pコード:289-070
URL:https://w.pia.jp/t/groovingnight/
楽天チケット:https://r-t.jp/groovingnight
【主催】 読売テレビ/キョードー関西 【企画制作】 読売テレビ
【協力】 CINRA/The ONOE FURNITURE
【協賛】Billboard Live OSAKA
【視聴覚障害鑑賞サポート】読売テレビ/キョードー関西
協力:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会 関西支部会
【公式SNS】
X:https://x.com/groovingnight
Instagram:https://www.instagram.com/grooving_night
TikTok:https://www.tiktok.com/@grooving.night
【一般問合せ】 キョードーインフォメーション0570-200-888 (11:00~18:00日祝休業)
音楽イベント『Grooving Night』 が地上波特番に! SIRUP×Ayumu Imazu 2マンライブ!パジャマ姿でトーク&セッション
昨年9月20日に大阪・オリックス劇場にて開催された『Grooving Night #4』の模様を放送。ゲストは、アメリカと日本を拠点に活動、昨年「日本レコード大賞企画賞」を受賞した、今最も勢いのある新世代アーティストAyumu Imazu。ホストSIRUPと“寝る前に、グルーヴ溢れる夜を過ごそう”をコンセプトに、「夜のくつろいだ部屋」をイメージしたステージで一夜限りのライブ&トークを届けます。
【番組名/放送日時】
「SIRUP×Ayumu Imazu音楽ライブ『Grooving Night』#4」
2月21日(金) 深夜25:30~26:00 放送予定 ※関西ローカル
【出演】 <ホスト・ナレーション>SIRUP <ゲスト>Ayumu Imazu <次回ゲスト>SKY-HI