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雑誌『Pen』主催イベントに細野晴臣、小山田圭吾や蓮沼執太、大森時生らが集結

2025.3.3

#MUSIC

フェイクドキュメンタリーは「レイヤー操作」がカギ

両氏は、フェイクドキュメンタリーの特徴は「作品を捉える際のレイヤー(階層)が多く複雑なこと」にあると語る。例えば『飯沼一家に謝罪します』は、同作に登場する「飯沼一家」が火事で亡くなってしまった謎を追う架空のドキュメンタリー番組として展開するが、作中ではさらにその飯沼一家が存命時に出演した、別のバラエティ番組も流れるという複雑な構成だ。大森は「自分の態度を決めかねる、保留せざるを得ないのがフェイクドキュメンタリー独特の感覚です。ホラーではない作品でも不安になってしまうのは、このレイヤーが見定められないからです」と語る。

大森時生プロデューサーが、ホラー系YouTubeチャンネル『ゾゾゾ』の皆口大地、『フェイクドキュメンタリーQ』の寺内康太郎のほか、『第2回日本ホラー映画大賞』を受賞した近藤亮太らとタッグを組み制作するテレビ東京の人気シリーズ『TXQ FICTION』第2弾。

さらに大森は、そうしたレイヤー操作はフィクション以外の番組でも行われていると指摘する。

「バラエティ番組でVTRが流れている際、スタジオの様子を捉えたワイプも同時に映されるのは、視聴者のレイヤーを固定するためです。これは、視聴者がVTRを見てどんな感情を抱けば良いのかもアウトソーシングされていると言えますし、今は大量のコンテンツがある時代なので、いちいちそれらを見て感情を動かすのも大変だからということで、ワイプがあることは意外に大事なんです。そうした作用を応用したのがフェイクドキュメンタリーだと思っています」。

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