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ONE OK ROCKが鳴らす、世界に挑むためのスタジアムロック
完全に日が落ちたスタジアムでは、照明が一段と映え、さらに増していくスタジアムライブらしい壮大な雰囲気。それに呼応するように、セットリストも近年の楽曲へとシフトし、披露されたのは”Decision”、”Renegades”、”Wonder”。パワフルな大合唱や美しく荘厳なギターリフが暑さの落ち着いた夜空に響きわたる。西日が射していたライブ冒頭の疾走感溢れる楽曲群とは対照的な、スケールの大きいスタジアム級のロックアンセムたち。ONE OK ROCKの代表曲の多さに改めて感心するとともに、1stアルバム『ゼイタクビョウ』(2007年)から最新アルバム『Luxury Disease』までの時間の流れも考えずにはいられなかった。
国内外を問わず、日本でスタジアムやドーム公演を開催するアーティストが多い現行の音楽シーンにおいて、ONE OK ROCKが提示していたのはプリミティブなスタジアムロック。花道もなければトロッコもない、至極シンプルなステージにあるのは、スタジアム映えする楽曲の数々とそれを奏でる4人のメンバー。MCでTakaも触れていたように、声を出したり、お酒を飲んで踊ったりするためだけの空間。ギミックで溢れた世の中にこれほど単純明快な場所は他にあるだろうか。
ライブは中盤に差し掛かり、”キミシダイ列車”、”Make It Out Alive”と激しい楽曲が続いたあと、披露されたのは”Wherever you are”。今この時間を噛み締めるように「風が気持ちいい」とこぼすTakaから、前日のリハで感じた会場の澄み切った夜空と心地良い風を受けて急遽アコースティックバージョンに変更されたことが明かされた。自然発生的に客席からスマホのライトが向けられ、Takaの歌声とToruのアコースティックギターに誰もが聴き入った。
