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グレッグ・アラキ監督インタビュー クィア映画の巨匠がユースたちに伝えたいこと

2025.4.24

#MOVIE

アラキ監督が考える「オルタナティブ」の意味

―これは『ミステリアス・スキン』に限らないことですが、監督の映画ではいわゆるオルタナティブミュージックが非常に重要な役割を果たしています。監督にとって、そのような音楽はどのような意味を持っているのでしょうか。

アラキ:ええ、オルタナティブミュージックは、おそらく僕にとって最も大きな影響源であり、インスピレーションでもあります。

僕が大学生だった頃、ちょうどパンクやニューウェイヴ、そしてオルタナティブミュージックが生まれ始めた、1970年代後半から1980年代初頭の時期だったんですね。だから、その頃の音楽や感覚は、私の映画すべての「魂」みたいな存在なんです。

だから、音楽というのはいつも、私にとって映画作りの出発点のような、非常に重要な要素になっているんです。

本作『ミステリアス・スキン』では、アンビエントミュージック界の巨匠ハロルド・バッドとCocteau Twinsのロビン・ガスリーがオリジナル劇伴を手掛け、Sigur RósやSlowdive、Curve、Rideなどの楽曲が劇中で使用されている。

―私自身10代のときにアラキ監督の作品を観て、オルタナティブであることのカッコよさを感じていました。ただ、現代でも「オルタナティブ」という価値観が影響力を持っているか悩むこともあります。ある意味、1990年代的な言葉だったとも捉えられますし。アラキ監督は、いまでもオルタナティブであることに価値を感じていますか。

アラキ:僕の映画はいつも、アウトサイダーや主流の外側にいる存在を描いています。オルタナティブミュージックも、クィアカルチャーも、そもそもはそうした主流からはみ出した場所から生まれてきたものだと思うんです。

世のなかの普通や主流とされるものよりも、僕はむしろ、はみ出し者や変わり者たちの世界のほうが、ずっと興味深く感じるんです。みんなが同じようで、当たり障りのない世界よりも、ね。

僕は昔からずっと、ちょっと芸術的で、創造的で、いわゆる「黒い羊」みたいな存在でした。だから、そういう立ち位置で作品を作るのは、自分にとってごく自然なことなんです。

『ミステリアス・スキン』場面写真

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