INDEX
13Kで体験する音楽の臨場感

「現在」のエリアでは、幅約24mの超ワイドなスクリーンが待ち受けている。下がった照明や観客のシルエットも相まって、ライブ会場のような雰囲気である。ここでは6組のアーティストの特別な映像が上映される。ライブ映像の新構成バージョンや、MVのオリジナルバージョン、完全新作の映像など様々だが、いずれもここでしか観られない「初出し映像」だという。

いや正直言って、そのアーティストのファンにとっては大興奮だろうけど、あまりよく知らない歌の映像を大画面で見てもなあ……と思ってました。ごめんなさい。
取材時はちょうどTHE YELLOW MONKEYのライブ映像が始まるところだったが、その第一音が鳴った瞬間に、全身鳥肌! である。画面中のステージとピッタリ合わせて会場の照明が変化するので、画面の向こう側とこちら側の区別がつかなくなってくる。まるでその場に居合わせているかのような没入感に、興奮を止められなかった。隣に立っていた女性がライブのようにノリノリで体を揺らして聴き入っているのも、なんだか楽しい。皆で同じ曲を聴くって、やっぱりとても楽しいことなのだと思う。

こちらはNHKスポーツテーマ2024として知られるYOASOBI“舞台に立って”の、MV特別バージョン。元の公式MVではクライマックスで色々なスポーツが一瞬ずつ映るところがあるのだが、ここでは各競技のノーカットバージョンが一斉に24mの画面を埋め尽くす、という胸熱演出を見ることができる。これを見ると、ラストの歌詞の<今までのどの瞬間も無駄じゃなかったと思えた>の心への響き方が全然違う。ちょっとくらいウルっとしても、それでもなお画像は精細である。13Kなので。

SMエンタテインメントからデビューしたばかりのバーチャルアイドルnævis(ナイビス)の映像は、この「MUUUSE」に合わせて制作された完全新作だけあって、こちら側とあちら側の境界線を曖昧にさせるような演出がたっぷり詰め込まれている。なお、バーチャルなのはnævis本人のみで、4人のダンサーはリアルな人間とのこと。見ているうち、人物のリアルとバーチャルの境界線まで曖昧になるのを感じるだろう。
ほかにもTM NETWORK、UVERworld、ピアニストである角野隼斗と、合計6組のアーティストが登場する。すべて通して鑑賞するとおよそ30分ほどの、見応えあるパフォーマンスだった。ここも写真や動画の撮影OKって、かなり太っ腹なのでは?