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むらかみなぎさの歌遍歴は小学生から
―なぎささんはもともとどういうきっかけで歌を歌うようになったのでしょうか?
むらかみ:小学校のときから自分で適当に曲をつくって歌ってたんです。頭で思いついた言葉をそのまま歌に乗せて、放課後の家に帰る途中とかに歌ってて。家に帰ったら忘れちゃうんですけど、既存の曲を歌うんじゃなくて、なぜかそのときからつくってて……当時は「つくってる」とも思ってなかったんですけど。
―ギターを手にするよりも前に、もう頭の中でつくっていたと。
むらかみ:そうなんです。歩きながら歌うのが楽しいとか、お風呂だと声が響いて楽しいとか、小学2年生ぐらいからずっとそういう感じ。家族もみんな歌が好きで、みんなよく歌ってたんですけど、全員がそれぞれ違う歌を歌ってました(笑)。

ーご家族も音楽好きだったんですね。
むらかみ:みんな自分の好きな歌を勝手に歌ってただけなんですけどね(笑)。おじいちゃんの家に行くとずっとフォークやクラシックが流れてたので、弾き語りのスタイルになったときにつくった曲は、意識せずともフォークっぽくはなりました。
―金延幸子さんとかも自然と聴いていたのかもしれない。
むらかみ:そうですね。かぐや姫、加川良、あとはドノヴァンとかも流れてて、そういう人の曲は今聴いても聴き馴染みがいいなと思いますね。
―そういう名前は安部くんとも通じるところがあるかもしれないですね。
安部:そうですね。親戚みたいな感じがします(笑)。

―なぎささんはもともと保育士として働きながら弾き語りでの活動を始めて、2023年に休職をして、現在はベビーシッターをされているそうですが、自分が音楽をやっていることとお仕事にはどんな関連があると思いますか?
むらかみ:さっき安部さんが「作為がない」とおっしゃっていましたが、私は歌をつくるときにそれを一番意識していて。子どもと話すときも、やっぱり子どもは作為を感じとるから、自分の考えを押し付けてないか、すごく意識して接するようにしています。
それに子どもは音が鳴ると自然に体を揺らしたり、歌とは思わずとも何かを口ずさむから、音を感じる力は私たちにもともと備わってるものなんだろうなって思うんですよね。私は音楽が、音楽として独立しているんじゃなく、生活に根付いているような音楽を聴きたいと思っていて、自分の作る歌もそうでありたいと思っています。自然に音を感じて、楽しんでいる子どもの姿をみると、すごく親和性があると感じます。