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『KYOTOPHONIE』は小林七生とのコラボレーション
─今回開催される『KYOTOPHONIE』に寄せたメッセージ動画のなかでも、人類の醜さや悲しさと同時に美しさに触れる場面もあるという話をされていましたが、ブラジルの文化に触れたうえで、『KYOTOPHONIE』でのパフォーマンスはどんなふうになっていきそうですか?
コムアイ:自分のパフォーマンスはいろんな国で見た光景や聴いた歌、習ってきたものが一番のインスピレーション源になっていて、そこから得たものをなにか自分なりに形にしたいと思っているんです。水曜日のカンパネラをやめてからここ数年は即興が多くて、その瞬間ごとにどの引き出しを開けようか、とくじ引きのようにやってきました。今回は即興の要素もあるにはあるんですけど、構成をしっかり考えている部分もあって、どんな風になるかわからないというよりは、もっと完成図を目指しながらやっている感じです。
─小林七生さんと一緒につくりあげるからこそのパフォーマンスになりそうですね。
コムアイ:エチオピアの教会に行ったときに、賛美歌とお経の間のような雰囲気のチャントをしている聖職者の人たちを見て。一つの大きな大きな岩から掘り出した石の教会の空間に声が重なって響いて、とても美しかったんです。そのときは断食の期間だったんですけど、断食じゃないときは、太鼓も入るらしくて。ここらへんで、自分が興味を持ったり、感動したりしてきたものって、歌と太鼓ぐらいで成立するんだということに気づきました。
─サルバドールの街でも太鼓の音がよく聞こえてくるというお話しでした。
コムアイ:今回小林七生さんと一緒にやらせてもらうことになったのも、七生さんという人間が面白いというのはもちろんなんですが、ドラムにすごく惹かれていたからなんです。電子楽器でやっているパフォーマンスや、刺繍でつくっている立体の作品もすごすぎるし、人知を超えたような集中力でものをつくっている人だなと思っていて。前から一緒にやる機会をお互いに探っていたんですけど、今回『KYOTOPHONIE』でパフォーマンスをできることになって、ぴったりだなと思いました。最初に七生さんと話したときに、伴奏は全然得意じゃないという話をしていたんです。「上物同士だね」と言われて、「確かに」と思いました。ドラムが地になって、歌が上に乗る形じゃない組み合わせなのがすごく面白いし、だからこそ、七生さんの一音ずつを鳴らすようなドラムに惹かれているのかなと思います。
─音楽的なバックグラウンドも異なるお2人ですよね。
コムアイ:2人の間で共有しているものはあるんですけど、七生さんと私は、アプローチやものの見方がものすごく違う感じがしています。私の方が情緒や感情を音にすることに注力していて、七生さんはもっと仕組みとか成り立ちとか、宇宙全体を捉えてしまいそうな視点があるような感じがします。でも機械的ではなくとても生きている音。自分とまったく違うからこそかっこいいなと思いますね。
─ブラジルから、日本では初公演となるフィリペ・カットさんも出演されますね。
コムアイ:初めてお会いするんですけど楽しみです。フィリペ・カットさんのライブも、多分ブラジルだったら周りの人の声が聞こえないぐらい、全員熱唱だと思います(笑)。フィリペ・カットさんを通じて、フィリペ・カットさんがカバーしているブラジルの音楽をいろいろ知ることができたので、それもすごく嬉しくて、刺激になります。
コムアイwith FATHER × Soundscapes from Brazil & Beyond

公演日:2025年4月19日(土)17:00 OPEN / 17:30 START
会場:ヒューリックホール京都(元・立誠小学校)
チケット:前売り5,000円 / 当日6,000円
国内:https://eplus.jp/sf/detail/4277620001-P0030001P021001
海外:https://kp-komi-cato.peatix.com/