メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

大回顧展『田名網敬一 記憶の冒険』レポート 日本が誇る現代アーティストの軌跡

2024.8.19

#ART

記憶の温室

続く第8章の展示室にも、めちゃめちゃキッチュで絵映えする作品『記憶の修築』が鎮座している。ガラス張りの温室の中に、作家の記憶を形作る雑多なかけらが詰め込まれており、中央には彼岸と此岸を結ぶモチーフである太鼓橋がかかっている。同じく国立新美術館で展示されていた、大竹伸朗の『モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像』を想起する人も多いのではないだろうか。こちらは温室なので、中でいっそう記憶が育ち、発酵し、おかしな化学変化を起こしそうである……

『記憶の修築』2020年

橋のよく見える部分には、これみよがしにフェルメールなどの巨匠の画集が。たもとにはポルノグラフィや、女性の身体パーツをアップで写したフェティッシュな映像が配置されている。橋の下の暗くなった部分には、戦闘機が静かに横たわっていた。

同・部分

橋の上には「Kenichi Tanaami」のタスキをかけたマリオネット(手足はどこぞの有名キャラクターとそっくり)。そしてこの、人をくったような顔とポーズである。

第8章展示風景

コラージュ作品は活動の初期から手掛けて来ているものの、第8章に至っては密度が半端ではない。モチーフを何層も重ね、ラメやラインストーンでデコり、画面が飽和してもなお狂乱は続く……そんなイメージだ。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS