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バラバラになってしまった家族でも、つながれる

2024年7月期のドラマは、話題となっている『海のはじまり』(フジテレビ系)や『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)など、「家族」をテーマにした作品が多い。どの作品も「個人の幸せと家族全体の幸せは両立できるのか」という問いを前に葛藤するところが作品の山場となっているが、「トゥルーストーリー(ほぼ)」である本作は、1人は他界、もう1人は認知症という事情で「バラバラ」になってしまった家族でも、ちゃんとつながれることを証明してくれる。草太を想うひとみの心情を通して、深く愛すればこそ生じてしまう寂しさも丁寧に描きながら、草太がいなくなった岸本家に、配送業者の陶山克哉(奥野瑛太)や環といったお馴染みのメンバーの手によって届けられた大量の「生き物」たちのように、さりげなく手を差し伸べ合うことができるのが、岸本家の人々と仲間たちなのだ。
耕助は「七実は大丈夫」と言って亡くなった。七実は、その「大丈夫」を言霊のように「言い聞かせてたらほんまにそうなって」と第5話で言った。七実もまた「大丈夫」と言いつつ「全然大丈夫やない」と思う時もある。自分を奮い立たせるための「大丈夫」。家族を想っての「大丈夫」。本作にはたくさんの「大丈夫」がある。最終回でもきっと、岸本家は私たちにたくさんの「大丈夫」をくれるはずだ。
ドラマ10『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』

NHK総合にて毎週火曜午後10時から放送中
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/RMVLGR9QNM/