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誰しも「家族という族に属している」からこその共鳴

第7話で、作家になった七実(河合優実)に対して、編集者の末永繭(山田真歩)が「岸本家のエピソードにハマる人はみんな、特別な何かを求めているんじゃないと思うんです。めんどくさい家族をきっちり笑いに昇華してくれている頼もしさにハマるんだと思います」と言う場面がある。ドラマの前半部分だけでも、七実の人生は波乱万丈だった。弟はダウン症、父は急逝、母は突然倒れて、車いすユーザーに。全10話の後半である第6話から第7話で、ようやく順風満帆な作家生活が始まったかと思いきや、母の大手術、祖母の認知症と、次々と難題が降りかかってくる。それらのすべてを「悲劇も誰かに笑ってもらえたら喜劇になる」と文章に変えてパワフルに生きていく七実。自分自身に置き換えて共感するなんておこがましいと思う一方で、どこか共鳴するところがある。それはきっと、ALL WRITE社長・小野寺(林遣都)の言う通り、私たちが誰しも「家族という族に属している」ためなのだろう。