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カラコルムの山々インタビュー 現代に必要な「青春」の肯定

2024.11.15

カラコルムの山々『週刊奇抜』

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一言で空気を変えられるのが言葉の力

―他にカラコルムの山々と近しさを感じたり、面白いと思うものはどんなものがありますか。

石田:音楽に関しては、自分と同じことを考えているものはあまり思いつかないんですが、漫才に親近感を覚えることは多いです。漫才って、一言でその場の世界を変えられるんですよね。たとえばランジャタイやDr.ハインリッヒ、かもめんたるのネタは、1つの台詞でその場を異空間にして「この人たち、なんかおかしい」って思わせる。そういった要素に親近感を覚えることが多いです。言葉の強度によって、面白くなるか変人になるかが変わっていく気がしています。

―一言の可能性を信じているんですね。たしかにカラコルムの山々の歌詞が「なんか変」なのも、そういったところですよね。

石田:言葉の可能性って、短いセンテンスで「変だな」って思わせることができることだと思うんですよ。例えば出身地を聞かれた時に「東京やねん」と関西弁で答えたら、それだけでもうおかしいじゃないですか。僕らはそれを音楽で実現する選択をしていますけど、言葉に対して自分と同じ考えを持っている人はお笑いシーンには沢山いるんじゃないかなと思います。

―それこそ2024年8月にリリースされた最新EP『週刊奇抜』には“スクープ!AIたちの社員食堂に潜入”というラジオコントも収録されていますね。

石田:メンバーでYELLOW MAGIC ORCHESTRAの『増殖』(※)を聴いてからこのEPの制作をスタートしたので、青写真はそこにあるかな。

※編注:桑原茂一の「スネークマン・ショウ」とYMOのコラボで、途中でラジオコントが挟まる構成になっている。

―これまでの作品でも、モデルケースとなる作品を聴いてから制作していたんですか?

石田:これまでは毎回名刺を作っている感覚だったので、前作『出土の都市』(2023年7月)はコンセプトもなくて、現状ある中で強い曲を並べていました。今回、初めて全員で「こういう作品にしよう」と話し合いましたね。

木村:ライブのセットリストを組む時に「世界観を深める」というワードが頻出するんですが、それをEPでやろうとしたのが『週刊奇抜』です。これまではライブをするために曲を作っていたけど、今回はその制約がなかった。だからライブでやらなくてもいい曲を入れることができたし、“週刊奇抜”を中心とする世界に入り込める1枚になったと思います。

―今の話から、先ほどの話の「番組」により近づいたのが『週刊奇抜』だと感じたんですが、今作を番組でたとえるなら?

石田:『アド街』(『出没!アド街ック天国』)ですね。色んな店や人が存在している中で、今回は「週刊奇抜少女」が住んでいる街を特集した回です。

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