グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。7月7日から、7月24日までの3週間は、「『フジロック』でつながる友達の輪」ということで、『フジロック』で出会った! 一緒に行くよ! そんなお友達でつないでいただきます。
7月23日は、編集者 / ライター / YouTuberの照沼健太さんからの紹介で、ギズモード・ジャパン総編集長の尾田和実さんが登場。伝説の初回『フジロック』での思い出のほか、アーティストへのインタビューのコツや、最新のガジェットについても伺いました。
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台風が直撃した、伝説的な初回の『フジロック』に参加
Celeina(MC):尾田さんは、シンコー・ミュージック、MTV JAPAN、サイバーエージェントにて編集長やディレクターを歴任され、現在は『ギズモード・ジャパン』の編集長であると同時に、WEBメディア『FUZE』のプロデューサーとしてもご活躍中です。尾田さんの初めての『フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)』は、1997年に天神山で開催された第1回目だったそうですね。
尾田:はい。当時、シンコー・ミュージックという音楽出版社にいて、雑誌の取材で皆と一緒に現地に足を運びました。台風の予報が出ていたため、前日からカメラマンと会場へ向かい、山道を登って確認しに行きました。現場では既に強風の中、スタッフがステージを組み立てており、「これは明日大変なことになるぞ」と思っていたところ、その通り、過酷なライブとなりましたね。
タカノ(MC):まさに伝説的な初回ですね。Rage Against the Machine、Red Hot Chili Peppers、エイフェックス・ツインなどについて、多くの方が印象深く語られていますよね。
尾田:はい。台風で1日だけの開催になってしまいましたが、それでも非常に印象的なパフォーマンスがいくつもありました。例えば、エイフェックス・ツインは、当時から革新的なアーティストとされており、ステージには張りぼてのお化けの家のようなセットがありました。そこから足だけが出ていて、本人は姿を見せず、ノートパソコンを操作して音を出していました。観客が「リチャード、出てきてくれ」と声をかけても「嫌だよ〜」と返し、最後まで足しか見えないという演出でした。
また、Rage Against the Machineのライブでは、観客がなだれ込むように押し寄せ、大変な熱狂でしたね。Red Hot Chili Peppersは、デイヴ・ナヴァロという、いかついギタリストが在籍していた時期で、バンドとしてもいかついメージがありましたが、暴風雨がひどくて、「これ以上やったら死ぬから、お願いだから下げさせてくれ」ということでライブが途中で中止になったんです。いずれも強烈な印象を残すライブでした。
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質問の「型」を持ちつつ、アーティストごとにアレンジして話を聞く
Celeina:1997年の『フジロック』に参加された方々にとっては、本当に貴重な体験だったでしょうね。また、尾田さんはお仕事でも数多くの方にインタビューされているかと思いますが、私たちも『フジロック』でのインタビューを控えているので、何かアドバイスをいただけますでしょうか?
尾田:MTVという音楽チャンネルで、インタビューの機会が多くありました。1日に複数のインタビューをこなさなければならないこともあるので、あらかじめ共通の質問を用意したりしています。典型的な質問は「日本の観客の印象は?」といったものですが、それをそのまま尋ねると、毎回同じような答えになってしまいます。そこで、質問を少し膨らませて、「雨が降っていて、泥だらけのキッズが盛り上がっていたけど、日本の観客に対してどう感じた?」のようにすると、相手のリアクションも変わり、面白い答えが返ってくることが多いです。
タカノ:非常に実践的でありがたいアドバイスです。つまり、質問の「型」は持ちつつも、アーティストごとに工夫するということですね。
尾田:また、取材時は非常に多忙で、すべてのライブを見るのは現実的に難しいことが多いです。そのため、現場のスタッフに「このライブはどうだった?」と逐次情報を聞いておくと、アーティストへの質問もしやすくなります。
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バナナが楽器に? 見た目はカセットテープのシンセサイザーを紹介
Celeina:裏技のようなお話、ありがとうございます。早速取り入れさせていただきます(笑)。さて、『ギズモード・ジャパン』といえばガジェットですが、本日は色々アイテムをご持参いただいたとのことで。
尾田:『ギズモード・ジャパン』は、ガジェットやテクノロジーに関する情報を発信するメディアなので、今日は「ガジェットに詳しい」という一面を見せろと言われましたので(笑)、ちょっとマニアックなものを持参しました。これは「Synth-a-Sette(シンサセット)」と呼ばれるもので、見た目はカセットテープに見えるのですが、実はシンセサイザーなんです。
Celeina:触れる位置によって音が変わるのですか?
尾田:はい。音程は若干ずれていますが、「ドレミファソラシド」のような鍵盤が付いています。コードを付けることで音が出せる仕様で、このコードの先端がピンになっていて、葉っぱやバナナなど、電導性のあるものであれば何でも楽器になるんです。
タカノ:こちらにCeleinaさんの私物のバナナがありますが、音は出るんでしょうか?
尾田:バナナの皮を剥く必要がありそうですね。
Celeina:いいですよ、私のバナナを献上します(笑)。
タカノ:バナナから音が鳴っていますね!
尾田:バナナが鍵盤になるということですね。これを持って『フジロック』に行き、葉っぱなどを拾って即興コンサートをすれば、もしかすると翌年出演のチャンスが巡ってくるかもしれません(笑)。