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第65回メフィスト賞を受賞。小説家の金子玲介は、挫折を乗り越えてエンタメ小説を綴る

2024.11.8

#BOOK

大切にしてきた会話劇にミステリー要素を足して生まれた『死んだ山田と教室』

Celeina:ここまで作品のあらすじを聞いただけでもワクワクしますが、アイデアはどのようなプロセスを経て形になったんですか?

金子:エンタメに転向することを決めた後の1作目が、探偵が犯人を捜していくミステリー小説だったんですよ。でも、無理しすぎている感覚があって。純文学作品では会話劇を大切にしてきたので、会話劇にミステリー要素を足していきたいなと思ったんです。人が亡くなってしまった時って、会話は重くなったり形式的になったりしてしまうじゃないですか。人が亡くなっても軽快な会話を続けられる状況を考えていたら、スピーカーに憑依させることを思い付いたんです。

タカノ:Celeinaさんに見てほしいんですが、山田が考えたクラスの最強の座席表が小説に登場するんですよ。

Celeina:文章の間に図があるんですね⁉

金子:山田はクラスのみんなが大好きなので、「こいつはここの席が良い」みたいな座席表を完成させるんです。

タカノ:こうやってクラスメイトそれぞれのキャラが確立されていて、そこも見どころなんですよ。

Celeina:30人くらいキャラクターがいますが、設定を考えるのも大変だったんじゃないですか?

金子:台詞が多いメンバーは厚めに設定を作りつつ、35名分全ての部活や名前を考えました。

タカノ:10回ほど書き直されたそうですが?

金子:メフィスト賞は受賞から刊行まで1年ほど期間が空くので、その時間で何度も打ち合わせを重ねながら、改稿していきました。

Celeina:そういった打ち合わせをしながらも、2作目と3作目を書いていらっしゃったと。

タカノ:『死んだ石井の大群』はどういったお話なのでしょう。

金子:『死んだ石井の大群』は、所謂デスゲームものですね。333名の石井さんが白い部屋に閉じ込められて、いきなりゲームをしていくという。物語のスタートはベタなデスゲームなんですが、途中で色々な展開を用意しています。

Celeina:『死んだ山田と教室』『死んだ石井の大群』『死んだ木村を上演』いずれの作品も読みたくなりました。皆さんもぜひチェックしてみてくださいね。さて、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいているのですが、金子さんがご紹介してくださるのはどんな方ですか?

金子:芥川賞作家の高瀬隼子さんです。

タカノ:お会いしたかったです。いつ頃からのお知り合いなんですか?

金子:お話しするようになったのは、今年に入ってからですね。デビュー前から町屋良平さんと仲良くさせてもらっているんですが、町屋さんの文学賞受賞パーティーで初めてお会いしたんです。高瀬さんから「『死んだ山田と教室』面白かったです」と言ってもらえたんですよ。そこから段々とお話しするようになり、『新しい恋愛』が刊行されるこの機会に名前を挙げさせていただきました。

Celeina:明日も楽しみです。今日は小説家の金子玲介さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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