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フォトグラファー・大辻隆広のこだわりは、自分にしか撮れない表情や内面を写すこと

2024.4.27

#ART

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

1月9日は、ファトグラファーの大辻隆広さんが登場。フォトグラファーになったきっかけや、アシスタント時代から大事にしている師匠の言葉、昨年から始められたWEBマガジンなどについてのお話を伺いました。

フォトグラファーを目指したきっかけは、おじさんフォトグラファーの職人感

Celeina(MC):本日、番組の推薦でお迎えしたのは、フォトグラファーの大辻隆広さんです。大辻さんは、J-WAVEでナビゲーターをしている吉岡里帆さんの写真集をはじめ、数々の俳優さんの撮影をご担当されています。大辻さんは、いつ頃から写真を好きになったのですか?

大辻:写真自体は、小学生や中学生の頃から好きでした。中学生の頃、写ルンですなどのインスタントカメラが流行って、それで撮り出したことがきっかけです。

Celeina:その当時は、どういうものを撮られていましたか?

大辻:友達や、好きになった女の子です。撮ったら、その写真を自分のものにできるじゃないですか。気持ち悪い発想ですよね(笑)。

タカノ(MC):そういう下心もあったんですね(笑)。そこから、フォトグラファーになったきっかけは何だったんですか?

大辻:ちょうど僕が大学生の時、蜷川実花さんやHIROMIXさん、長島有里枝さんといった『木村伊兵衛写真賞』を獲ったすごく有名なフォトグラファーがいました。そういう方たちは、僕の中で芸能人みたいな存在だったので、僕自身が彼らのようなフォトグラファーになれるなんて、1ミリも思っていなくて。だから、大学卒業後は普通に就職をしました。

就職した先が、代理店みたいな立ち位置で写真撮影の現場へ行く仕事だったんです。ある日、撮影の現場にいたフォトグラファーのおじさんを見て、すごい職人感を感じたんですよ。僕はフォトグラファー=芸能人みたいな、スター性のある方ばかりだと思っていたんですが、その職人みたいなフォトグラファーのおじさんを見て、僕にも目指せるかもと感じ、23歳ぐらいの時にフォトグラファーへの道を意識し始めました。それから会社を辞めて、フォトグラファーを目指して学校へ行って、そこから先はわりとトントン拍子に、アシスタントを経て、フォトグラファーになった感じです。

タカノ:たしかに、フォトグラファーの方ってカッコいいですよね。

Celeina:分かります。ストイックな感じもあって。

大辻:僕もアシスタントをしている時に、フォトグラファーの師匠の後ろ姿を「カッコいいなあ」と思いながら見ていました。

「表に出ている人間は意味があって、そこにいる」という師匠の教え

Celeina:師匠とアシスタントとの関係性のことで、ずっと聞いてみたかった質問があります。フォトグラファーの世界は、上下関係が厳しかったりするんですか?

大辻:人それぞれだし、時代にもよると思いますが、僕の師匠は仏みたいな人で、なおかつカッコよかったです。色んなスタッフの方を紹介してくださったり、毎晩飲みに連れて行ってくれたりました。もちろん大変でしたけど、あまり苦に思ったことはないです。当時は師匠みたいなフォトグラファーになりたいと思いながら、過ごしていました。

タカノ:当時、印象的だった師匠の言葉って何かありますか?

大辻:アシスタントになって初めて行ったのが、著名な女優さんの現場だったんですよ。終わった後に「撮影、どうだった?」と師匠に聞かれて、「すごく綺麗でした」と言ったら、「そういうことじゃなくて。表に出ている人間は意味があってそこにいるんだから、彼女が何故ここにいるかを少しでも感じとれる距離にいるのに、それを無駄にするのはもったいなくない?」と、サラッと言われた言葉が心に残っています。

タカノ:すごく大事な言葉ですね。

大辻:今もその言葉を大事にして、会う方々をリスペクトする気持ちは忘れずにやっています。

タカノ:大辻さんの作品を拝見すると、人物を撮られていることが多い印象がありますが、何かこだわりはありますか?

大辻:フォトグラファーによると思いますが、大前提として僕は人が好きなので、人物を撮りたいんです。もちろん、風景や物も好きですが、人物は見た目だけじゃなくて内面があるので、僕にしか撮れない表情や行動などが写し出されることが楽しいですね。もしかしたら、リンゴにも表情や内面があるのかもしれないですが、僕にとっては、その部分を人物に感じるということが一番大きかったです。

タカノ:現場のコミュニケーションでも撮る写真も変わったりしますよね。

大辻:コミュニケーションもあるし、ロケ撮影だと雨や風など天候の影響もあります。それに被写体の体調によって表情もすごく変わりますね。フォトグラファーとの相性もあるので、すごく面白いなと思います。

Celeina:その一瞬を切り取るっていう。

大辻:そうですね。だから、僕にしか撮れない写真ってなんだろうと思いながら、いつも撮影現場へ向かっています。

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