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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

『ガンダム ジークアクス』で庵野、鶴巻、榎戸が拡張する「宇宙世紀」

2025.4.15

#MOVIE

庵野秀明による「シン」的な荒業

そのようにして、長い間ガンダムファンには無意識的に共有されていたある種の聖域に挑戦するのが、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』だ。そのために、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』の前半『Beginning」編で、アニメで描かれた一年戦争の末期の戦いの数々を、ほとんどダイジェスト的にシャアの視点から語り直すという手段を取った。語られる物語は「もしも」の出来事ではあるが、効果音や音楽、一部のカットなどは徹底的にオリジナルの『機動戦士ガンダム』に寄せられており、従来のファンほど「初代のガンダムだ……」と、ほとんど生理的な動揺を喚起させられるだろう。その裏側には、既存IPを大胆に換骨奪胎し、旧来のファンと新規のファンどちらをも呼び込む「シン」シリーズを手がけてきた庵野秀明の気配が色濃い。多くの場合こういったパロディ要素が強い作劇はどこか照れのようなものがフィルムに残りがちだが、「Beginning」編は徹頭徹尾、作り手の真顔ぶりが伝わってくる。宇宙世紀の「もしも」の物語をアニメのテレビシリーズでやり通す大仕掛けを、既存のファンにも呑み込ませるために、『GQuuuuuuX』は、大真面目に初代の『機動戦士ガンダム』を作り直すという直球の荒業をやってのけたのだ。

結果として、本作はまだ本編の放送が始まっていないにもかかわらず、SNSや投稿サイトではキャラクターの二次創作が溢れ、初代『機動戦士ガンダム』のテレビシリーズに初めて触れる若いファンの姿も多く見られるというとんでもない事態を呼び起している。

GQuuuuuuXの公開後、公式チャンネルにアップされている第1話の再生数が急上昇

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