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上白石萌音×高杉真宙のバディだけではない隙のない布陣

『法廷のドラゴン』は『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)や『科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)を手掛けてきた戸田山雅司による完全オリジナル脚本のリーガルドラマだ。メイン監督は『転職の魔王様』(カンテレ)、映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の堀江貴大。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)、映画『夜明けのすべて』の上白石萌音と、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)、映画『オアシス』の高杉真宙という、実力も魅力もこの上ない2人がバディを演じるというだけで一見の価値がある本作だが、さらに安定感と安心感を高めているのは、2人を見守る歩田法律事務所のパラリーガル兼経理・乾利江を演じる小林聡美だろう。真面目すぎる竜美と優しすぎる虎太郎の間で穏やかに合いの手を入れながら、時に現在の状況を絶妙な塩梅で織り込みつつ話す電話口の挨拶は視聴者の笑いを誘う。

さらに、裁判官であり、心配性で娘思いの竜美の父・辰夫を田辺誠一、真面目ゆえに苦悩しがち、壁に突き当たりがちな父娘に、いつも柔軟な視点でアドバイスする母・香澄を和久井映見が演じるなど、隙のない布陣である。