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多数決も「デザイン」である

体験型作品ラッシュの後には、大スクリーンで映像作品を楽しむコーナーが続く。
『解散集合!』は、身のまわりにあるモノを分解してパーツを並べる様子を描くコマ撮りアニメーション。眺めていると、自分の頭のパーツも解散、集合していくような快感がある。画像左上の、解散する豆大福には思わずニヤリとしてしまった。

最後のエリアでは、『デザインどっちでショー』が開催される。NHK Eテレ『デザインあneo』でお馴染みの同コーナーを、来場者が実際に体験するゾーンだ。議題は「給食の牛乳はビンか紙パックか?」。両陣営のキャラクターによるプレゼンを聞いたうえで、来場者は自分が赤コーナーと青コーナーのどちらを支持するのか選択を迫られる。「どちらともいえない」はナシ。自らの足を使って、文字通りに立場を明らかにする必要があるのだ。

多数決というのもまた、社会生活を営むうえで人間が考えついた意思決定の「デザイン」の一つである。自分で考えて選ぶこと、その結果を受け止めること……デザインの話をしていたはずが、気づけば広く「生きる」ことに関わる重要なエッセンスに触れていた。