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A24『シビル・ウォー』レビュー 劇場で「体験」する戦争の圧倒的な恐怖

2024.10.8

#MOVIE

決して絵空事ではない未来。本作は戦争の悲惨さを再確認させる

本作が全米で大ヒットした背景には、2024年11月5日に大統領選挙を控えた国民の不安と恐怖を刺激したためという分析もある。

その不安と恐怖の根拠は多い。2021年に起きた、不正選挙だとして落選を認めないドナルド・トランプが支持者を煽動した連邦議会襲撃事件も、内戦といえる凄惨さを極めていた。トランプ政権時代の権威主義的な体制の記憶や、MAGA(Make America Great Again)運動の高まりも大きく関係しているだろう。

映画の内容が大いに物議を醸していること、バイデン大統領・ハリス副大統領も鑑賞を希望していることも、やはり本作がフィクションでありながらも、決して絵空事ではないという証拠だろう。

それをロードムービーというジャンルのエンタメとして提示することに不謹慎さを感じる方もいるかもしれないが、劇中の最悪の出来事の連続から、戦争がいかに間違っているか、人間の心をいかに壊してしまうのかを指し示す、明確な反戦映画になっていることは伝わるはずだ。

劇中で描かれる思想信条の分断はここ日本でも他人事ではないし、アメリカでの政治動向により関心を抱くきっかけにもなるだろう。まずは、やはり映画館のスクリーンでこそ体感してほしい。

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

2024年10月4日 (金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督/脚本:アレックス・ガーランド
キャスト:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニ―
配給:ハピネットファントム・スタジオ
原題:CIVIL WAR|2024年|アメリカ映画|
公式HP:https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/  
公式X:@civilwar_jp
(C)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

<ストーリー>
「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」映画の舞台は、連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」。就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かう。だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくー

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