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受け身芝居とセリフ回し、「THE大泉洋」といえるキャラクター

魅力的なキャラクターだらけの中でも際立って魅力的なのは、文太だ。第1話の冒頭で、急にエスパーとなり世界を救えと言われてからの戸惑い。人に触るだけで心の声が分かるようになったことで、社会の暗い面にも触れてしまい落ちこむ姿。目の前の予測不能な事態に振り回されながら、素直に反応して喜んだり、悲しんだりする文太は、「THE SFドラマ主人公」といえる。
近年、大泉が演じてきた役柄は、ドラマ『元彼の遺言状』の篠田敬太郎 / 田中守や映画『かくかくしかじか』の日高健三など物語を動かしていく役柄や、『ラストマン-全盲の捜査官-』のような冷静な役柄が多かった。しかし本来、大泉は、本作の文太のような振り回される主人公としての受け身の芝居も得意な俳優だ。
状況を受け止めて、一つひとつに反応することで、文太というキャラクターを立ち上がらせつつも、セリフを聞かせるシーンでは説得力を持って語る。文太はファンが待ちに待った「THE大泉洋」といえるキャラクターだ。