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第3章「見えない力」
第3章では、神や物の怪、政治的圧力や放射能汚染に至るまで、多様な「見えない力」を表現した作品が集まっている。

金子富之の描き出した『天之叢雲九鬼武産龍王(あめのむらくもくきさむはらりゅうおう)』(左手奥)は森羅万象の気の根源の神だという。鱗の一枚一枚、爪の根元まで精彩に描かれた画面は、まるで隣で見ながら描いたかのようである。この大倉集古館の2階展示室には龍などの空想上の動物がモチーフとして多用されており、作品と建築がリンクしているように見えるのも面白いポイントだ。