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坂本龍一は、生と死の狭間で何を考えたか。晩年の映像、日記を映画化した監督を取材

2025.11.26

#MUSIC

Photo by Neo Sora ©️2022 Kab Inc.

「次の世代に残したい」——坂本龍一を支え続けた遺族の決断が映画につながった

─映画の最後のシーン、手元のアップとともに、日記の記述でもナレーションでもない、あるテロップが入りますよね。あれは監督の「解釈」でしょうか?

大森:あれは私の言葉ではなく……あの映像を提供していただいた、つまりあの場に立ち会ったご家族の方々が、そのようにおっしゃられていたので、その言葉を添えたんですね。坂本龍一という、音楽の化身のような人物の「最期の3年半」を最良の形で残すとなると、映画としてもあの終わり方になると思います。

─映画全体の話ですが、微妙なバランスの上で成り立っている、かなりの大仕事ですよね。

大森:なかなか大変でした。たくさんの資料やメールを前に、本当に完成させられるだろうかと不安になるときもありました。

監督として、最終的にはいろんな作業と編集することになりましたが、坂本さんのご家族はもちろん、ご友人や晩年を支えた医師の先生方、そしてNHKスペシャルの制作のチーム、いろんな方々が関わった映画ですね。それでも最終的には、亡くなる瞬間まで一緒にいた、ご家族の方にしかわからない領域というのもあると思います。

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』より / © “Ryuichi Sakamoto: Diaries” Film Partners
『Ryuichi Sakamoto: Diaries』より / © “Ryuichi Sakamoto: Diaries” Film Partners

─その中で、大森さんが監督として、この映画を完成させたモチベーションというか動機はどこにありましたか?

大森:それは縁というか、たまたますごいものを目撃してしまったというか、使命感と言ってしまうとちょっとカッコつけていますが……やはり遺された記録の持つパワーに感化されたと思います。偶然の巡り合わせで受け取ったのが、たまたま自分だったのかなと。そういっためぐり合わせというか、環境に感謝したいですね。

映画『Ryuichi Sakamoto: Diaries』トレイラー映像

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』

2025年11⽉28⽇(⾦)TOHOシネマズシャンテほか全国公開

坂本⿓⼀
朗読:⽥中泯
監督:⼤森健⽣
製作:有吉伸⼈ 飯⽥雅裕 鶴丸智康 The Estate of Ryuichi Sakamoto
プロデューサー:佐渡岳利 飯⽥雅裕
制作プロダクション:NHKエンタープライズ
配給:ハピネットファントム・スタジオ コムデシネマ・ジャポン
© “Ryuichi Sakamoto: Diaries” Film Partners

https://happinet-phantom.com/ryuichisakamoto-diaries

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