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『あいち2025』で蒔かれた種は、私たちの日常でいつか薔薇を咲かせる

2025.10.22

国際芸術祭『あいち2025』

#PR #ART

『国際芸術祭「あいち2025」』が2025年9月13日(土)に開幕した。11月30日(日)までの79日間にわたり、愛知芸術文化センター(名古屋市)や愛知県陶磁美術館(瀬戸市)、瀬戸市のまちなかを会場に、現代美術展とパフォーミングアーツの公演、ラーニングプログラムによるさまざまな体験の機会を創出。多種多様な表現との出会いを通して、世界各地の歴史や文化、慣習や価値観に、一人ひとりが思考や想像をめぐらせるための場を提示している。

本記事では、現地を訪れて体感した『あいち2025』の特色や、いずれもオープニングのタイミングで行われたパフォーミングアーツ作品などについて紹介する。

世界各国から参加するアーティストらが集ったオープニングセレモニーや、ニューヨークとパレスチナを拠点に映像と音楽によるインスタレーション作品を手がけるアーティスト、バゼル・アッバスへの貴重なインタビュー、彼とパレスチナから来日した仲間がナイトクラブで行ったパフォーマンスなど、開幕直前 / 直後から現地は熱気に包まれた。

名古屋の文化の成熟度、瀬戸の地域性を感じる芸術祭

本芸術祭で、現代美術展や多くのパフォーミングアーツの公演が行われる、愛知芸術文化センター、通称「芸文(げいぶん)」は、名古屋を代表する繁華街の栄に位置する。東京から名古屋までは、東海道新幹線のぞみ号で約1時間半、大阪や京都からなら1時間もかからずに到着でき、地下鉄東山線に乗り換えてたった2駅というアクセスの良さだ。

愛知芸術文化センター

実は筆者、名古屋を訪れるのは人生で3回目、芸文も本芸術祭も念願の初訪問だった。

栄駅の改札を出て、地下街を通り芸文に向かう途中、地上までの吹き抜け構造になった立体型の公園「オアシス21」と、見上げた先に広がるガラスの大屋根「水の宇宙船」のスケール感に、まず圧倒された。大都市のど真ん中に巨大な広場があることはもちろん、そこに集う多くの市民が思い思いの時間を楽しんでいる様子も印象的だった。

立体型の公園「オアシス21」とガラスの大屋根「水の宇宙船」

一方、『あいち2025』の会場でもある愛知県陶磁美術館が位置する瀬戸市は、名古屋駅から電車で1時間弱の距離。「せともの」という言葉が象徴するように、歴史ある焼き物の産地「日本六古窯」の一つとして、世界的に知られる地域だ。

起伏に富む広大な同館の敷地には、「本館」や「デザイン あいち」、来館者が作陶を楽しめる「つくるとこ 陶芸館」などが点在し、豊かな自然の中で芸術と歴史に親しめる。瀬戸市のまちなかで行われる現代美術展と合わせ、地域全体をゆったりと散策したくなる展示構成となっている。

愛知県陶磁美術館 本館
愛知県陶磁美術館 つくるとこ 陶芸館

さまざまな人が行き交う大都市の多面性と、愛知という地域に根ざした伝統産業の歴史、そこで生きてきた人々の暮らしや文化が混ざりあうなか、世界の「今」を映した多彩な作品に出会える本芸術祭は、非常にユニークな場だろう。訪れてみて、過去に賛否を巻き起こしながらも、存続への熱い要望と期待や、海外からの高い評価を得てきた理由、愛知県という都市の文化の成熟度を感じずにはいられなかった。

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